アンドロイドアプリ 「Googl Play」を中国市場に投入するにあたり、中国政府と交渉中のGoogle。交渉がまとまれば、Androidスマートフォンにこの中国専用アプリが自動的にインストールされることになる。


中国市場から撤退したGoogleだがアナリティクスは動かしていた

Googleがサイバー攻撃や中国政府の厳しいネット検閲を理由に、中国市場から撤退してから5年。業界では「これを機にGoogleは中国市場への再参入を狙っているのではないか」という見方が強まっている。

しかし英ガーディアン紙が米ペンシルベニア大学の協力を得て行った調査結果で意外な事実が発見された。この5年間、中国政府はGoogle検索やそのほかのサービスをブロックする一方で、無料のアクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスのオペレーションを許可しているというのだ。


中国の人気サイトの92%で情報漏えいが確認された

この調査は中国本土をベースにしたコンピューターシステムを利用し、中国で人気の高い465のウェブサイトが密かにトラッキングされている可能性を探ったものだ。その結果、92%のウェブサイトから個人情報の漏えいが確認された。驚くべきことに、そのうち36%からGoogleサーバーへの接続コードが発見されたうえ、87%の個人情報は暗号化すらされていなかった。

Googleアナリティクスのトラッキング機能を100%無効化するのは難しく、無効化用のアドオンなどをインストールしても、実際は密かにトラッキングされている場合が多い。インターネットユーザーはトラッキングをブロックする必要があるのだが、こうした情報は中国のユーザーには入手しにくいものと推測される。Googleのプライバシーを軽視する姿勢には世界中から非難が寄せられているが、未だ改善される気配はない。

Googleアナリティクスが機能している限り、Googleは入手した貴重なデータを中国市場の再開拓に役立てることができる。また国民の意見に懸念を抱き始めた中国政府にとっても、国民の本音や動向をインターネットから探ることができるという利点がある。

この調査の結論は、今回の「Google Android Play」の投入は単なるきっかけに過ぎず、グーグル アナリティクスという世界最大のトラッキングツールを通して、Googleには中国で復帰するチャンスがずっとあったということだ。 (ZUU online 編集部)

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