前回は「スウィング投資」について紹介した。 第3回目は「移動平均線と株価の関係に注目した投資法」がテーマだ。このロジックを理解すればトレンドの変化がつかみやすくなり、株を売買する判断の手助けになるだろう。

目次

  1. 「移動平均線を活用しよう」
  2. 移動平均線と価格の位置関係で強弱が分かる
  3. 乖離率でトレンドの変化を読む
  4. 乖離しているほど大もうけか大損をしている人がいる
  5. 日経平均株価とトヨタ自動車で検討してみる

「移動平均線を活用しよう」

そもそも移動平均線とは、観察対象の一定期間の価格平均を点にして結び、線にしたものです。りんごを例にとって3日移動平均線を考えてみましょう。

ある日、りんごの値段が100円でした。翌日が120円、その翌日は110円であったとします。この場合、3日間の合計は100+120+110=330円なので、これを3で割った平均価格は110円になります。

では、4日目の値段が115円ならどうでしょうか。3日移動平均の価格より上なので需要は強めと判断できますね。

3日移動平均線は3日の平均なので常に1番古い値を捨て、新たな値段を足し、3で割っていきます。この場合なら115円を足します。すると120+110+115=345÷3日で115円という新たな数値になります。前の移動平均とこの価格を足して線にしていきます。これが3日移動平均線です。

移動平均線と価格の位置関係で強弱が分かる

翌日の価格が130円なら3日移動平均は118.33円です。この移動平均線と現在価格を比較することで、需給の強弱が分かります。

移動平均より価格が上であれば買い需要が強め。あるいは、売りが少ない状態といえます。

当日の価格が移動平均より下なら、買い需要は弱いか、売りが買いを上回っている状態といえます。

株価の場合はいずれも営業日ベースで5日移動平均(1週間の平均)、25日移動平均(約1カ月の平均)、75日移動平均(約2カ月の平均)、200日移動平均(約1年の平均)、13週線(約3カ月)、26週線(約半年)がよく使われています。

上記の期間だけではなく、分単位の株価と移動平均線を比較する場合もあります。いずれの移動平均線を参考にするにせよ、移動平均値と株価の関係を重視するほか、期間の異なる移動平均線を組み合わせて、現在株価との比較で強弱をつかんだり長期・中期・短期のトレンドを検討します。

通常、移動平均線は終値で作りますが、高値平均や安値平均、中値平均という利用方法もあります。自分にとって使いやすいようにエクセルなどを使ってカスタマイズするといいでしょう。

乖離率でトレンドの変化を読む