評価基準 マイノリティに配慮していることも項目の一つ

大学ランキング
同尺度は、各都市が有する大学のうち「QS世界大学ランキング」にランクインした大学の総合的な力を測るために作られたものである。同尺度の評価に使われた項目は、大学ランキングに入った大学の数を示す「大学数」、それらの大学の順位を示す「各大学の順位」、各都市で最上位となった大学の順位を示す「最上位大学の順位」以上3種類だ。

学生の比率
同尺度は、各都市における全学生および留学生の割合を測るために作られたものだ。人口に対し学生の割合が多い都市は、学生に必要な施設が整っている傾向があり、また留学生の割合が多い都市は、留学生を暖かく受け入れる体制が整っている傾向があるため、同尺度が各都市を評価する項目の一つに採用された。

同尺度の評価に使われた項目は、各都市の総人口に占める全学生の割合を示す「学生比率」、世界大学ランキングに入った大学の学生数に占める留学生の割合を示す「留学生比率」、米非営利団体ソーシャル・プログレス・インペラティブ発表の「社会進歩指標」を基に判断された「寛容度・包括度」の全4項目だ。

「社会進歩指標」とはGDPなどの経済指標を使わずに社会の進歩を測定したもので、ここに移民、同性愛者、宗教への寛容性、マイノリティーに対する差別などを測る「寛容度・包括度」の項目がある。

暮らしやすさ
同尺度は、各都市の総合的な暮らしやすさを測るために作られたものだ。同尺度の評価に使われた項目は、「エコノミスト誌住みやすさ指数」、「GaWC+スコア」(英ラフバラ大学内の研究機関「GaWC」発表の「世界都市ランキング」を基に作られたもの)、「安全度」「公害汚染度」「汚職度」の全5項目で、全て各種機関が発表した指数等を基に作られている。

就職力
この尺度は経営者から評価されている都市を測るために作られたもので、評価項目は、各都市内の1大学以上から優秀な卒業生を輩出していると感じる国内・国外経営者の数を示した「国内経営者からの人気度」「国外経営者からの人気度」および各都市の若者の失業率を基に作られた「若年雇用機会ボーナス」の全3項目だ。すべて各種機関が発表した指数等を基に作られている。

なお、この「就職力」のランキングで東京が1位を獲得したことは注目に値するだろう。

留学費用
同尺度は、様々な観点から留学費用を測るために作られたもので、「授業料の平均」「iPad指数」「ビックマック指数」「マーサー生計費調査(米人事コンサル大手マーサー社による世界の生計費調査)指数」の4項目が評価の対象となっている。

では3位へのランクインを果たした東京と、日本のお隣、韓国や中国の中で上位となったソウルや北京について詳しく見てみよう。