経済成長を目指す上での課題に「生産年齢人口の減少の克服」がある。日本の人口は2007年から すでに 、減少に転じており、昨年だけで27万人の減少となった。1970年代前半以来、 出生数も ほぼ一貫して減り続けており、昨年はたった100万人だった。現在の傾向が続いていけば、2100年には5200万人まで人口が減る試算もあり、労働力も 必然的に 減少せざるを得ない。

人口そのものも出生数も減り続ける 構造的 な減少傾向が続いている中で、国内居住人口を維持し、労働力を確保するためには、外国人人材の活用を促進することが不可欠とみるむきもあり、今後の対応が注視されている。


大きな経済効果を生む外国人の流入

高齢化と人口減少に苦しむわが国でも、海外からの人口流入に期待されるのは、就学・就労者の増加だ。消費の主体としてはもちろんのこと、労働力やイノベーションを生み出す力としての活躍も当然ながら、実現させたいところだ。

例えば、人手不足が叫ばれている建設、土木、農業などの分野での外国人就労が進めば、現状を劇的に改善する原動力となる可能性もある。一部の市場関係者からは、「思い切ってもっと、門戸を開くのも一つの方法だ」といった声もきかれる。

さらに、長期的には、帰化など定住者の受入を促進することが重要ともみられており、外国人人材の流入により人口減少のペースを緩めたり、生産性向上の源泉としての活躍も期待される。

観光目的などの短期滞在者を除く在留外国人は2015年6月末で220万人。うち140万人(63.2%)が永住者や日本人の配偶者などで、それ以外の80万人がそのまま定住できるような制度整備や、就職支援などを行うことも定着を促す対策になるとみられている。