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(写真=Thinkstock/Getty Images)

「社長が選ぶ、今年の社長」が発表され、第1位の豊田章男トヨタ自動車 <7203> 社長を始めトップ10には有名大企業の実力経営者が名を連ねる中で、第3位に森本浩通・三菱航空機社長がランクインした。

産業能率大学がまとめたこのトップ10には、以下の各氏がノミネートされた。このうち7人をメーカー経営者が占めている。調査対象者の中心が中小・ベンチャー企業経営者ということもあり、日頃から幅広いメディアで採り上げられることが多い人物に票が集中する傾向はあるようだ。金融機関や重厚長大型の企業の経営者にはあまり目が届いていない気もするが、選出された人たちは何れも立派な実績を上げている名経営者だ。

まずはランキング上位10人を見てみよう。


ランキング(上位10人) メーカーから7人

第1位 豊田章男 トヨタ自動車社長
第2位 孫正義 ソフトバンクグループ <9984> 社長
第3位 森本浩通 三菱航空機社長
第4位 永守重信 日本電産 <6593> 会長兼社長
第5位 ティム・クック アップルCEO
第6位 平井一夫 ソニー <6758>
第7位 宮永俊一 三菱重工業 <7011> 社長
第7位 柳井正 ファーストリテイリング <9983> 会長兼社長
第9位 新浪剛史 サントリーホールディングス社長
第10位 鈴木敏文 セブン&アイ・ホールディングス <3382> 会長最高経営責任者

今年初選出で見事3位にランクインした 森本浩通社長率いる三菱航空機にスポットを当ててみよう。


三菱航空機は 創業わずか8年目

第3位に三菱航空機の森本社長が選出された背景には2015年11月のMRJ(Mitsubishi Regional Jet)のテストフライト成功があることは間違いないだろう。第7位の宮永俊一 三菱重工業社長も三菱航空の親会社であるとともにボーイングなど海外航空機メーカーに主翼などの重要部品を納入していることが評価されたと考えられる。

MRJの開発の端緒は、2002年8月に経済産業省が環境適応型高性能小型航空機の開発プロジェクト支援構想を発表したことだ。2003年から予算措置が取られ三菱重工業がプロジェクト参加へ名乗りを上げた。その後5年間の準備期間を経て2008年4月に資本金30億円、従業員200人で事業主体となる三菱航空機が設立された。

さらに段階的に規模を拡大し現在は資本金・資本準備金1000億円、従業員1500人を擁する大企業だ。設立時は三菱重工業の100%子会社だったが、現在は三菱商事、トヨタ自動車、住友商事、三井物産、日本政策投資銀行など9社からも出資を仰いでいる。

当初は2011年にMRJの初飛行を行い2013年に量産初号機を納入する予定だったが、度重なるトラブルにより4度にわたるスケジュール変更を余儀なくされた。今後のプロセスが順調に進めば2017年第2四半期にまず全日空へ納入される予定だったが、再び延期されることになった。


2016年はMRJの真価が問われる

MRJは世界最先端の空力設計技術、騒音解析技術などの適用と最新鋭エンジンの採用により、燃費、騒音、排出ガスを大幅に削減する。とくに燃費は先進的な空力技術や複合材技術の活用、次世代新型エンジンの採用により従来の同型ジェット機と比較し20%以上向上するといわれている。

これがライバル機と比較し最も優位性を発揮できる点だったが、開発スケジュールの遅延が続く間に他社も燃費効率を大幅に向上させた新型機の投入を決定しており相対的な魅力が低下してしまった。カナダのボンバルディアが2013年9月の初フライトを終えたCシリーズ、ブラジルのエンブラエルが2018年に量産初号機の納入を予定しているE-Jet E2などはMRJに匹敵する燃費性能を実現できるようだ。

三菱航空機は2015年12月現時点で223機のMRJを受注しているが、2014年8月に日航との間で32機の納入に関する基本合意を締結して以来、新規受注が途絶えている。合計184機のオプションが行使されることも期待したいが、安定的に受注を確保できなければYS11の二の舞となりかねない。

三菱重工で火力発電プラントなどの海外営業に長く携わった森本社長が2015年4月に就任した背景にも営業のテコ入れがあると考えられる。2016年は再度のスケジュール遅延を回避するとともに受注の上積みが必須だ。(ZUU online 編集部)

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