(写真=ZUU online 編集部)
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ブルームバーグ・インテリジェンスのエコノミストである増島雄樹氏は3日、同社主催の2016年の「産業展望セミナー」で、日本銀行が1月末に導入したマイナス金利のアジア経済への影響を解説し、バブルに発展する懸念もあるとの見方を示した。

ブルームバーグの産業展望セミナーは、同社のエコノミストや、ネットワークを生かして、最新の経済、金融についての知見を共有するもの。今回はその一環として、「停滞するアジア経済」と題して、増島氏が講演。最新の金融政策の状況を踏まえて、波及効果について解説した格好だ。

増島氏の講演によれば、日本銀行の政策「マイナス金利」の良い影響として、「金融期間の貸出増加と、設備投資の拡大」と「円安による企業収益の下支え」などがあるという。実際、円高に振れてしまいそうだった円ドル為替レートを、1ドル=120円前後に押しとどめた経緯を踏まえれば、実現した一つのシナリオだったとも言えそうだ。

他方で、同氏は「国内金融機関の収益低下や、不良債権の増加につながる可能性がある」とした上で、余った資金が不動産売買や資産売買に回るとバブルの懸念を拡大させかねないとの趣旨で発言した。

ほかにも日本経済の見通しについて、増島氏は「為替は追加緩和で米国との利回り格差が拡大する中で緩やかに円安に進むのではないか」との見方を示す一方で、「春闘での賃上げ動向には注目しているが、伸び幅は限定的となるだろう」との見解を明らかにした。(ZUU online 編集部)

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