今回はトレードに参考にすべき「経済指標」について書きたいと思います。経済指標は今後の経済状況を見極める材料であり、為替相場を大きく動かす要因でもあります。発表の日時と時間があらかじめ決まっているため、非常にトレードの参考にしやすいものでもあります。自身のトレード前にチェックして、是非とも大きなチャンスを自分のものにしましょう(あるいはリスク管理に利用しましょう)。
分析方法
FXの分析方法には大きく「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の2種類があり、「ファンダメンタルズ分析」はその国の経済情勢や財務状況から相場を分析する方法、「テクニカル分析」は値動きや需給関係から相場を分析する方法です。経済指標はファンダメンタルズ分析に含まれ、今後の値動きを予想するのに役に立ちます。どちらが正しいとか間違っているとか、そのようなことはありません。どちらも正しいと言えるし、ダマシにあうときもあります。よってトレードの時はどちらも参考にすることをおすすめします。ただ、経済指標に関しては前々から発表されることが分かっているので、これを利用しない手はありません。トレードに上手に活用してください。
まずは絶対!雇用統計
まず覚えるべき経済指標は「雇用統計」です。言わずと知れたキング・オブ経済指標で、毎月第1金曜日のNY時間で8時30分(日本時間で21時30分)に発表されます。発表後、一瞬で100pips以上動くこともあるので、注意が必要です。このときの値動きは恐ろしくスピーディーです。FXをしている方は、第1金曜日の夜はPCの前にいることをおすすめします。予想とのブレガ大きいこともあり、サプライズが起こりやすい指標です。雇用統計のなかでも特に注目すべきは非農業部門雇用者数と失業率です。
消費者物価指数、国内総生産、小売売上高
「消費者物価指数(CPI)」は、毎月発表される、小売り、サービス価格の調査結果です。毎月中旬、NY時間で8時30分に発表されます。インフレ系最重要指標のうちのひとつ(インフレは金利水準との関係性が深いため金融政策にお大きな影響を与えるとされる)なので、常に高い注目度を誇ります。生活コスト指数の代わりとして用いられています。
「国内総生産(GDP)」は米国内で生産された、財やサービスの付加価値の総額のこと。景気動向の判断に使われやすい指標で、特に中長期的な動向をつかみやすいとされています。特に重要なGDP速報値は1、4、7、10月と四半期ごとの発表ですが、速報値→改定値→確定値と3回発表されるため、毎月出てくることになります。毎月下旬、NYタイムで8時30分の発表です。
「小売売上高」は、小売業における売上に関する指標です。米国GDPの6~7割を占めると言われる個人消費の全体のトレンドを把握するため、重要視されています。個人消費支出の動向をいるのに使われており、景気回復の先行指標となっています。毎月中旬、NYタイムで8時30分の発表です。
金融政策発表は不定期だが要注目!
全世界が注目するのが、FOMC政策金利発表(年8回、約6週間ごとの発表で、NYタイムで14時15分に発表される)と、FOMC議事録発表(FOMCの3週間後に発表される)です。議事録に関しては、FOMC政策金利発表時の声明文である程度の予想はできますが、金融政策については市場の注目度が高いため、注意してみている人も少なくありません。
日本では日銀の金融政策決定会合で決定されます。原則月2回、各月の初回会合は2日間、行われます。会合決定後に日銀総裁の記者会見が行われ、各月の初回会合の翌営業日に金融経済日報が、その約1か月後議事要旨が公表されます。4月と10月に経済・物価情勢の展望が公表されています。
ユーロ圏では毎月第1・第3木曜日にECB(欧州中央銀行)政策理事会が開催され、金融政策に関する決定は1回目の会合で決定されます。
他にも注目すべき経済指標はまだまだありますが、トレードしていく中で自然と覚えるようになると思うので、無理に覚えようとする必要はありません。ここで挙げた経済指標は値動きに直接影響するようなものばかりですので、まずはこれらに注目してトレードしてみてください。経済指標を毎回チェックするようにして、上手にトレードに活かしてください。
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photo:Bernanke / Medill DC