「お金持ち」と聞くと、一等地に持家を所有したり、高級車を複数台所持したりしている人たちを想像するかもしれない。所得ベースでみれば、年収1000万円というのが平均的な所得から、桁数が1つ上がって、別次元への入り口のように感じる人も多いのではないだろうか。

世界に目を向けると、年収1000万をものともしない、いわゆる「スーパーリッチ」も大勢いるだろう。一口に富裕層といっても、ユニクロを運営するファーストリテイリング <9983> の柳井正氏や、ソフトバンクグループ <9984> の孫正義氏など日本の大富豪ランキングに加わっている人達がいる一方で、世界には彼らをはるかに上回るほど裕福な富豪もいるという。

そんな高額所得者らと、自身の差を、ざっくりと測る便利なツールが実はある。「 グローバルリッチリスト 」だ。同リストでは、自分の年収を入力すると、世界のトップ何%のグループに入っているのか、あるいは世界で何番目に高収入なのかという順位までが表示される。今回は、同リストを使ってお金持ちのレベルを検証してみよう。

日本のGDPは世界3位、1人当たりGDPは25位

まずは、日本の所得が世界の富裕国ランキングではどこに位置付けられるのか。そこを見てみよう。国別のランキングを見れば、「年収1000万円」の意義がより明確になるだろう。「ジャパンアズナンバーワン」とさえ、かつては言われた日本はどのような現状に置かれているのだろうか。

国内総生産(GDP)ベースでは日本は、世界第3位の規模を誇る。アメリカ、中国に続く3位で、世界的に見ればナンバー3という豊かな国だということになろう。2015年の統計では、トップ3のGDPはそれぞれ、米国が17兆9470億米ドル、中国が10兆9830億米ドル、日本が4兆1230億米ドルとなっている。

例え日本が100%の成長率を示しても、中国には追い付けない計算だが、今なお世界的なGDPランキングでは上位に食い込んでいるのが現状だ。

他方で、1人あたりのGDPを比べると、その様相は大きく変わる。総GDPでは人口の多い国が上位にランクインしている一方で、人口規模の小さな国も上位に食い込んできているのが特徴だ。

それを象徴するのが、ベネルクス3国の1つルクセンブルグ。1人当たりのGDPが10万1994米ドルで、世界のトップに君臨している。人口約800万人のヨーロッパでは小国のスイスが8万675米ドルで2位、中東のカタールが7万6576ドルで3位に続く。いずれも国家としては小規模ながら、高い生産性を誇っているといえそうだ。

また、今後の大きな成長が見込まれ、日本のライバルになるアジアの国々はどうだろうか。ずばり言えば、1人当たりのGDPランキングでは、シンガポールの5万2888米ドルの6位がアジア勢の最高順位だ。一方、日本は3万2486米ドルで、25位となっている。これらのランキングをみても、日本は富裕国の1つに数えられるだろう。

日本の平均所得「約561万円」で世界の年収上位0.36%

日本の世界における位置づけが明らかになったところで、リストを見てみよう。グローバルリッチリストは、いたってシンプルなツールだ。居住国を選択して、自身の年収を入力すれば、世界ランキングが表示される。ちなみに、世界のお金持ちトップ0.1%に入るには、年収980万円が必要となり、やはり年収1000万円を上回れば一つの大台に乗るといえそうだ。

ちなみに、一般に「お金持ち」とされる年収1000万円では、世界のトップ0.09%に入る計算だ。

また、日本の平均的な年収水準の世界ランキングも見てみよう。日本の平均年収は、528万9000円(厚生労働省の2014年国民生活基礎調査)で、世界で上位0.36%に入る計算だ。経済の勢いに陰りが見える日本とはいえ、世界的にはまだまだ裕福だといえそうだ。さらに、富裕度ランキングを見ると、日本の平均所得を稼げば、2188万5789番目のお金持ちということになる。

世界の人口が約70億人ということを考慮すると、日本では平均的な所得でも、世界的にみれば、トップ層に入ると言ってよさそうだ。

お金持ちになるには「強い意志」と「長期ビジョン」がポイント

ただ、世界のトップ層に入っているから満足というわけにはいかない。少子高齢化や人口減少など経済には厳しい環境に入るとみられ、どうすれば「より豊か」になれるかが大切だ。そこで一歩でも理想に近づくために身に着けたいお金持ちならではの習慣を見ておこう。

はっきり言ってしまえば、宝くじにでも当たらない限り、一夜にして億万長者になれる人はほとんど存在しないだろう。そんな環境で、お金持ちになるために身に付けたい主な習慣とはどんなものなのか、確認しておこう。

具体的に見ればより、分かり易い。見習いたいのが、質素倹約の姿勢だ。お金持ちだからといって、高級ブランドの洋服に身を包み、星付きのレストランで食事を楽しみ、休暇はファーストクラスで海外旅行と贅沢三昧をしているというわけではない。大金を手に入れたからといって、これまでのライフスタイルから一転して、浪費がたたり、せっかく築いたステータスはもろくも崩れるパターンもよく目にする。身の丈にあった消費スタイルを堅持する「強い意志」を持つことが、お金持ちへの近道なのかもしれない。

さらに欠かせないのが、「投資を学ぶ」ということだ。億万長者の多くは、その資産を現金だけで所有しているという例は稀だろう。マーケットの動向に注意を払い、長期的なビジョンを持って、普段から金融情報に接して投資を実践することが、お金の流れを研究し、お金持ちになるためのノウハウを学ぶ重要な機会となる。

一方で、裕福な資金を元手に闇雲に投資をするわけではなく、お金を儲けるためにお金を上手に使うことも求められる。つまり、金融のプロフェッショナルであるファイナンシャルプランナーや会計士、エステート・プランナーを雇うことだ。これにはコストがかかるが、プロの知識やアドバイスにはお金を払うだけの価値があり、自分で1から調べる負担を軽減するという意味からも有効に活用したいところだ。

日本は世界の中では、各種のランキングが示すように、まだまだ富裕国の1つに挙げられる国だ。その環境をいかすためにも、お金持ちが実践する質素倹約な生活習慣や、投資を積極的に学べば、世界の上位0.1%に割って入るのも、現実的なのかもしれない。(ZUU online 編集部)

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