身代金を支払ったにもかも関わらず、解放されないケースも

「犯罪者側にとって、ランサムほど簡単に利益を創出できる手段はない」というのは、 アンチウィルスソフト開発の権威、カスペルスキーの研究機関、ZAOだ。

ウィルスに対する消費者の警戒心が高まっている近年、PCへの直接的なハッキングのハードルが高くなっているのに対し、ランサムはファイルやウェブサイトに忍ばせておくだけで、勝手に被害者を見つけだしてくれる。

急増中の身代金取引で、ランサム犯罪者が目をつけたのがビットコインだ。世界中から匿名で身代金を受けとれる手段として、ビットコインほど理想的な通貨はない。

しかし新たな犯罪の主流通貨として利用されることで、順調にダークなイメージを払拭しつつあったビットコインが、再び後ろ暗い世界に引き戻されるとの懸念も高まりつつある。

FBIサイバー部門のアシスタント・ディレクター、ジェームス・トライナー氏は、「現金、ビットコインといった支払い法に関係なく、被害者に身代金を支払わないように」と呼びかけている。

取引に応じても無事にファイルが解放される保証がないうえに、身代金を資金源に犯罪組織がさらに巨大化する恐れがあるからだ。

トライナー氏の意見は正論であるが、人質にとられた重要なファイルのバックアップがない場合、「戻ってこないかも知れない」とわかっていても、結局は身代金を支払う被害者が多いのが現状だ。

普段から強力なアンチウィルスソフトで保身しておくのはいうまでもないが、最新のセキュリティーシステムへの更新を怠らず、重要な情報のバックアップはこまめにとる。公式サイト以外でのアプリをダウンロードする際にも、十分な警戒が必要だ。(ZUU online 編集部)

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