(データ提供=エコノミックインデックス) (データ提供= エコノミックインデックス

人工知能の技術を使ったビッグデータ分析サービス「EIセンチメント」を活用し、日経平均株価の変動に影響を与えた市場心理を探る「EIセンチメント + ZUU online サーベイ」。2016年9月第一週のキーワードトップ10を紹介する。

EIセンチメントは、エコノミックインデックスが独自のビッグデータ分析サービスとして提供するもので、日経平均のように日々変動する数値指標に対して、あらかじめ指定したキーワードが同一期間にTwitter上で出現した回数との相関を解析し、数値指標の変動要因を明らかにする。

それではトップ10キーワードと影響力を見てみよう。同社が算出したデータをもとに、ZUU online編集部で「なぜそのキーワードの影響力が高かったのか」を検証してみた。

米国の利上げ要素「雇用」統計の発表待ちとなった9月第一週

順位 キーワード 影響力 出現回数
1 雇用 12.50 5,943
2 教育 6.73 18,967
3 増資 6.02 84
4 子育て 5.08 5,404
5 倒産 4.38 1,746
6 ダイバーシティ 3.66 576
7 転職 2.76 8,392
8 投資 2.75 11,217
9 ジャスダック 1.93 50
10 貯金 1.67 7,007

(データ提供= エコノミックインデックス

米国の利上げを見極める上で重要な要素の一つと言われる雇用統計。発表は日本時間の2日(金)夜と予定され、経済メディア中心に予測記事が飛び交う中、停滞する日本経済における「雇用」問題が引きずられて話題となった。

2位の「教育」は、前週末に放送された24時間テレビ(日本テレビ系列)の裏番組で、NHK教育テレビが障害者問題に切り込んだことが話題となったことも大きかった。「子育て」と共に将来不安を表す少子化関連の話題が盛り上がる中で、前週末から反発した日経平均株価と連動した。

3位の「増資」は、インサイダー取引疑惑に対して金融庁が発した課徴金納付命令の取り消しを求めた裁判で、原告の主張通り納付命令を取り消す判決となったニュースが話題となったためと思われる。

月曜日にスコアを取った「投資」は、前週末にナイロビで開催されたアフリカ開発会議に関連。同会議に出席した安倍首相によるアフリカへの3兆円規模の投資に関する議論を読んだようだ。同じく月曜日に話題となった「貯金」は、前述した24時間テレビに登場する貯金箱を持った人々の募金シーンが例年のように議論を呼んだことによるものと見られる。

週中の「ジャスダック」は新興株の動向ニュース、「転職」は長期休暇明けに旺盛になりがちな求人広告の発信が、それぞれスコアをとった。

週末の「倒産」は韓国・韓進海運の経営破たんのニュース、「ダイバーシティ」は夏休み明けの子供たちのいじめ自殺に関するニュースが相次いだ中で、多様性を認め合う社会といういじめ防止が議論となった。

明るい話題が市場心理を形成する様子をなかなかレポートできないが、米国の利上げによる円安株高を期待するだけに見えるようでは、国内外から官製相場と揶揄されても仕方ないかもしれない。(ZUU online編集部)

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