人工知能の技術を使ったビッグデータ分析サービス「EIセンチメント」を活用し、日経平均株価の変動に影響を与えた市場心理を探る「EIセンチメント + ZUU online サーベイ」。2016年9月第一週のキーワードトップ10を紹介する。
EIセンチメントは、エコノミックインデックスが独自のビッグデータ分析サービスとして提供するもので、日経平均のように日々変動する数値指標に対して、あらかじめ指定したキーワードが同一期間にTwitter上で出現した回数との相関を解析し、数値指標の変動要因を明らかにする。
それではトップ10キーワードと影響力を見てみよう。同社が算出したデータをもとに、ZUU online編集部で「なぜそのキーワードの影響力が高かったのか」を検証してみた。
敬老祝い金廃止 超高齢社会における相続のあり方まで変えるのか
順位 | キーワード | 影響力 | 出現回数 |
---|---|---|---|
1 | 敬老 | 18.61 | 3,469 |
2 | 大統領選 | 16.05 | 1,913 |
3 | 就職 | 10.27 | 12,774 |
4 | イスラム | 9.74 | 3,432 |
5 | 非正規 | 7.56 | 2,028 |
6 | 相続 | 5.23 | 1,438 |
7 | ボーナス | 4.51 | 7,679 |
8 | コンプライアンス | 4.06 | 391 |
9 | ガバナンス | 1.41 | 194 |
10 | 景況 | 1.41 | 108 |
(データ提供= エコノミックインデックス )
「敬老」の日が9月第3月曜日のハッピーマンデーに移行したことで生まれたシルバーウィークが目前となり、遅い夏休みやレジャーに関する話題が盛り上がった。一方、各地の自治体がお年寄り向けに一律で給付していた祝い金を廃止するというニュースも広がり、超高齢化社会を迎えていることを表す事象の一つとして、米国の株価に一喜一憂した今週の日経平均と連動してしまったようだ。
その米国では、優勢と言われていたクリントン氏に健康問題が浮上し、「不信のヒラリーvs嫌悪のトランプ」と揶揄され、消去法で進む「大統領選」の流動性が増した週前半に影響力が高まった。
同じ13日(火)の株高タイミングで影響力の高かったキーワードを見てみよう。「イスラム」はシリアの停戦発効という進展があった中でISIS・イスラム国という残課題。「相続」は銀行員の過労死訴訟に続けて遺族による株主代表訴訟というニュースが拡散。「ボーナス」は京都市で公務員のボーナス引き上げが勧告されたことに対する賛否。「景況」は景況判断指数が大企業製造業で3期ぶりにプラスとなったニュース。
3位の「就職」は、経団連が来年の就職活動の面接解禁を6月とする発表の後に、説明会の印象がよいトップ50社という記事が話題となったが、株価下落のタイミングで連動したところは、新卒一括採用の見直しの議論も長らくあるだけに、見逃せない点であろう。
5位の「非正規」は、先週に続き雇用問題が主体だったものの、「ソフトバンクに持ち込まれたiPhoneが非正規品と言われて修理拒絶」という炎上案件が加わったことで、週後半の日経変動の動きと連動した。
株価が戻った15日(金)では、三菱自動車の燃費偽装問題が再燃したニュースが「コンプライアンス」や「ガバナンス」となって現れ、築地市場の豊洲移転問題における都庁の「ガバナンス」も問われているが、いずれの問題も米国市況依存となった感のある日経平均を引きずり下ろすほどのインパクトはないと受け止められてしまっているようだ。(ZUU online編集部)
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