ANAホールディングス、尾を引く「787」トラブル

今回は「信用売り残上位」10社の中からANAホールディングス、日本曹達、日本郵船の3銘柄を取りあげたい。

ANAホールディングスは航空会社の大手。空港業務受託が好調で今期は営業増益を予想している。

同社は8月、米ボーイング787型機のエンジン部品に不具合が生じる恐れがあり、国内線を毎日10便程度欠航する可能性があると発表した影響が尾を引いている。ただ、9月については予備器材の活用などで欠航する事態を回避しており、業績への影響は限定的との見方もある。

なお、9月末に1000株以上を保有する株主に対し、国内線搭乗優待券などの株主優待が提供される。優待を獲得するため一時的に現物株を取得した投資家が、株価下落による損失を防ぐため信用売りを行うことで売り残が膨らんだ可能性もある。

日本曹達、日経平均採用銘柄から除外

日本曹達は化学品、農薬などを手掛ける中堅化学メーカー。出資先である米家畜飼料添加物メーカー・ノーバス社の持ち分比率が下落したため、持ち分法利益の減少で業績が悪化する見通しだ。

日本経済新聞社はこのほど、日本曹達を日経平均株価採用銘柄から除外する一方、楽天を新たに採用すると発表した。日本曹達には機関投資家の銘柄入れ替えを背景とした売りが出ると予想されるため、先回りした投資家による信用売りのターゲットとなったようだ。

日本郵船、バルチック指数乱高下で信用売買膨らむ

日本郵船は三菱系の海運大手である。

海運市況の指標となるバルチック・ドライ指数が乱高下している。9月8日に792ポイントと年初来高値を更新したが、翌週の14日には1日で40ポイント下落した。同指数の動きを踏まえて、株式市場では海運株の信用売買が活発化した。

同業他社も売り残は膨らんでおり、川崎汽船はランキング5位、商船三井は11位だった。ただ、この2社の信用倍率は1倍を割り込んでいるのに対し、日本郵船は6倍台と買い残が圧倒的に多いという違いがある。(ZUU online 編集部)

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