「売れる人」と「売れない人」の差とは?
では売れる人は、売れない人と何が違うのだろうか?もちろん技術や知識、経験なども圧倒的に違うだろうが、一番の違いは、売れる人が「長期的な視野」を持って行動していることだろう。
売れている販売員は、必ずしも今、この場で売ることがすべてだとは考えていない。むしろ、常に次へつなげるための方法を考え、また顧客に提供する情報もコントロールしている。
「次につなげる方法」とは、一例を挙げるなら「情報収集」をすることである。たとえば顧客と交わした会話の中から、次の販売につながるヒントを見つけてメモしておいたり、自分のサービスに対する顧客の反応をカルテに書いておき、次回の接客時に活かすといったことである。
では「顧客に提供する情報をコントロールする」とはどういうことか?それは、顧客の状況に合わせたオススメをするということである。たとえば美容室に髪を切りにきた顧客の髪が傷んでいたら、まずは髪質に合わせたトリートメント剤を勧め、次回、髪質が改善していたら、髪をセットしやすいスタイリング剤を勧めてみるといったようにである。
むやみやたらと誰彼構わず勧めるのではなく、それを必要とする相手に、必要なタイミングで、必要なサービスとともに提供できるのが売れる販売員なのである。
大切なのは、顧客との「継続的な関係」づくり
一般に、販売員は上から目標金額などを与えられているため「今、売ること」で頭がいっぱいのことが多い。だから売れない販売員は、何とかこの場の売上を上げようとして、押し売りをしてしまうわけである。
それに対して、売れる販売員とは、顧客との継続的な関係づくりに重きを置いている。要は、売上を上げるには「リピーターをいかに多く獲得できるか」が重要なのである。
顧客からいただくお金を「代金」というのは、販売員が何かの代わりをしているからに他ならない。何の代わりをしてもらっていると顧客が感じるかでお得度が変わる。
コピーライターの一行目を書く目的が二行目を読ませるためにあるのと同じように、販売員が行っている今の接客は、次回の来店のためにある。そのためなら、今回は無理に売らないという選択肢を持っていたっていい。
俣野成敏(またの なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)や『一流の人はなぜそこまで◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に10万部超のベストセラーに。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、「お金・時間・場所」に自由なサラリーマンの育成にも力を注ぐ。
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