不動産市場全般は活況下にある

一方、住宅向けの不動産市場を全般として捉えた場合には、国交省の「日銀のマイナス金利政策や住宅ローン減税による需要の下支え効果で、地価は総じて底堅く推移している」とのコメントも、あながち的外れだとは言えない状況だ。

従来の金融緩和政策にも、低金利の国債から不動産へと資産運用をシフトさせる効果があったのだが、マイナス金利がその流れを加速する役割を果たしたわけだ。地方の金融機関がJリートへの投融資を積極化する動きも見られ、豊富な資金を背景に今後の価格上昇が見込める物件にも分散投資するJリートも出てきている。

今後は景気次第で冷え込む危険性も

「アベノミクス効果」もあって活況を呈している不動産市場ではあるが、潤沢な資金量のみによって押し上げられた市場は、景気次第で冷え込む危険性もはらんでいる。

不動産サービス大手のジョーンズラングラサールによると、2015年上半期の商業用不動産の直接投資額で世界3位だった東京は、2016年上半期には5位まで転落したという。その背景には、都心部においてさえ勝ち負けがはっきりしはじめている事実があることを見逃せない。(ZUU online 編集部)

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