確定申告,確定申告 青色
(写真=Thinkstock/Getty Images)

確定申告には大きく、青色と白色と呼ばれる2種類の申告方法があるが、この違いを理解しておられるだろうか?

これから新規に事業を始めようとする方はもちろん、今まで確定申告を行ってきたという方も、昨今の税制改正によって変化した部分等もあるためぜひ改めて確認してほしい。


青色申告とは

青色申告することができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のある者である。青色申告の申請をする者は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を所轄税務署へ提出することで、この適用を受けることができる。また、新規(その年の1月16日以後)に開業した場合は、業務を開始した日から2か月以内に同届出を行わなければいけない。

青色申告を行うものは、原則として複式簿記による取引記録の記帳義務があり、原則として7年間(書類によっては5年間)保存しなければならない。

事前の届出、詳細な記帳が必要であるため簿記知識のない者が行うことはやや難しい部分があるものの、青色申告特別控除を始めとした特典による節税効果は大きい。

手間がかからない?白色申告とは

白色申告は、不動産所得、事業所得、山林所得のある者のうち、青色申告の申請を行っていない者が対象である。青色申告にのみ認められている控除の適用は受けられないものの、日々の取引に対する記帳義務や帳簿の保存義務がなく、青色申告に比べ手間がかからないとされていた。

しかし、平成23年度税制改正において、平成26年分確定申告より白色申告についても記帳・帳簿の保存義務が適用されることとなった。白色申告において求められる記帳方法は簡易なものでも良いとされており、青色申告のそれと比べるとやはり手間はかからないものの、その差は以前よりもはるかに小さくなったと言えるだろう。

青色申告で提出する書類3つ

青色申告では、申告の際に次の書類を提出しなければならない。

・確定申告書B

・確定申告書Bに添付する控除関係書類

・青色申告決算書

確定申告書にはAとBの2タイプがあり、Aは予定納税額がない者による申告、いわゆる還付申告の際に用いられるものだ。個人事業主の確定申告においては、青色・白色問わず申告書Bを利用することとなる。

青色申告決算書は、損益計算書、減価償却費の計算書、貸借対照表などからなる1通の書類で、白色申告においてはこれを簡易にした収支内訳書の提出が求められる。

青色申告のメリット

青色申告を行うことによるもっとも大きなメリットは、それにより受けられる控除や特典が多く存在するという点である。具体的には、次の4つが主な特典として挙げられる。

青色申告特別控除

青色申告を行うもののうち、正規の簿記の原則によって帳簿を作成し、またそれに基づいて決算書(貸借対照表及び損益計算書)の作成・添付がなされている場合には、最高65万円の控除が適用される。またそれ以外の青色申告についても、最高10万円の控除が適用される。

青色事業専従者給与

申告者と生計を一にしている配偶者や親族のうち、年齢が15歳以上でその事業に専従している者へ支払った給与は、事前に提出した届出書に記載した範囲内で必要経費として計算することができる。ただし、この適用を受ける者は控除対象配偶者や扶養親族としては数えられない。

貸倒引当金

事業において、売掛金や貸付金の貸倒れが発生した際、この見込損失を一部必要経費として認められる。

純損失の繰越しと繰戻し

事業所得などに純損失(控除しきれない部分の赤字)が発生した際、この損失額を翌年以後3年間に渡って繰越し、控除することができる。また逆にこれを繰戻し、前年分の所得税の還付を受けることもできる。

青色申告のデメリット

青色申告を行うデメリットは、やはり記帳や決算書等を作成するのに少なからず知識が必要であり、相応に手間がかかるという点である。

しかしデメリットと言える点はその一点のみであり、その手間に関しても、白色申告において記帳義務が適用されたことによって以前ほど両者に差があるとは言い難くなった。もしもそれを理由に青色申告を行っていないという方がいれば、今一度検討してみるべきだろう。

青色申告による特典は本来当たり前のもの

青色申告を行うことによって得られる特典とは、(特別控除などは別として)本来正規の簿記の原則に従えば当然認められるべきものばかりである。だが、申告のためだけに簿記知識を習得することや、新たな事務員を雇うなどといった対策も、いささか選択し辛いかと思う。

青色申告によって得られる控除や各種特典が魅力的だと感じたのならば、まずは所轄税務署へ相談してみても良いだろう。あるいは、手近な税理士事務所へ依頼を持ちかけるというのも賢明だ。青色申告によるメリットが、その手間や依頼料に見合うものであるかどうか、各自見極めていただきたい。