消費税の確定申告について

【第6回】までで確定申告の基礎から実際の申告書類作成の流れまで確認してきた。そして最後に、消費税についても確認していきたい。消費税については確定申告が必要ない個人事業主の方も多いかと思うが、そもそも確定申告が必要かどうかを判断するためにも制度について知っておいて損はないだろう。

また現時点では消費税の確定申告は不要でも、今後売上が伸びて必要になるかもしれない。個人事業主としての成長も見越して、ぜひ消費税の確定申告について把握しておいてほしい。

消費税の課税事業者の基準とは?

確定申告において消費税を納める義務がある者を課税事業者と呼び、この義務がない者を免税事業者と呼ぶ。課税事業者にはいくつかの基準・要件があり、これを満たした者には納税義務が生じる。課税事業者の要件は、次の通りである。

1.基準期間の課税売上高が1000万円を超える者

2.基準期間の課税売上高が1000万円以下で「消費税課税事業者選択届出書」を提出している者

3.1、2に該当しない場合で、特定期間の課税売上高が1000万円を超える者

これらいずれかに該当する者は、たとえ当年(申告年)の課税売上高が1000万円以下であっても申告する必要があるので注意しよう。しかしながら、単純に要件を羅列しただけでは要領を得ない部分がいくつかあるかと思うので、次項より順次解説していく。

確定申告の消費税の基準期間は前年ではない