東京電力ホールディングス、政府の改革案に一喜一憂

今回は東京電力ホールディングス、東芝、日本郵船を取り上げたい。

東京電力ホールディングスは、東京電力を中核子会社に持つ電力大手。2011年3月に発生した福島第1原子力発電所の事故を受け、損害賠償や廃炉費用の負担が続いている。

日本経済新聞が8日付の朝刊で、政府が交付国債による同社向けの無利子融資枠を9兆円から14兆円程度に引き上げる方針を固めたと報じ、財務の改善や損害賠償問題が前進するとの期待が広がった。また、送電事業で他社との提携を検討すると伝えられたことも支援材料となったようだ。

しかし、翌9日には損害賠償や廃炉の費用が21兆5000億円と、従来予想からほぼ倍増するとの懸念が拡大、一転して売りに押されるなど市場人気は不安定だ。

東芝、米国の訴訟相手企業の請求棄却を好感

東芝は総合電機大手。パソコンやサーバーなどコンピューターに幅広く使われるフラッシュメモリーと社会インフラが事業の柱となっている。

不正会計問題が表面化したことにより資本市場で信頼を失ったが、経営改善に向けた取り組みが進んでいることもあり、株価も回復基調にある。

傘下の米原子力会社ウェスチングハウスによる買収をめぐる判決が材料視された。同社は米原子力サービス会社CB&Iストーン&ウェブスターの買収に動いていたが、売り手側のシカゴ・ブリッジ・アンド・アイアンが米国の裁判所に差し止め請求を行っていた。今回、その裁判で差し止め請求を棄却する判決が出たことが好感された。

この買収契約では、運転資金について契約締結時に想定した金額と実際に承継した金額に差がある場合に買収価格を調整し、第三者である会計士が最終的に調整額を判断するとの規定が盛り込まれていた。売り手側のシカゴ・ブリッジ・アンド・アイアンは、第三者会計士への最終判断の委任について差し止めを求めていたが、棄却される結果となった。

日本郵船、世界的な景気回復への期待が株価押し上げ

日本郵船は海運大手。三菱グループの中核企業の1つで、同グループの創業時の事業を継承している。

米国のトランプ次期大統領の政策への期待を手掛かりに、世界の主要株式市場で相場上昇が続いている。こうした中、日本郵船などの日本の大手海運株も世界の景気回復の恩恵を受ける業種として買いが集まった。

海運業界ではコンテナ船事業の統合も予定しており、その相乗効果に対する期待も株価を押し上げる一因となっている。(ZUU online 編集部)

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