デクセリアルズ、円安反転を好感

今回は「配当利回り 上位10社」から、1位のデクセリアルズ、近く権利落ちとなる12月決算のキヤノン、ビーピー・カストロールの3銘柄を取りあげたい。

デクセリアルズはソニーケミカルが前身。電子部品、接合材料、光学材料などを販売している。2012年に日本政策投資銀行と投資ファンドが出資する会社に売却され、2015年7月に上場した。

上場から1年間は、株価は概ね右肩下がりの展開となった。しかし、トランプ氏が米大統領選で勝利した11月上旬から上昇に転じ、株価は1000円の大台を回復した。それでも配当利回りは、引き続き高水準だ。

デクセリアルズは10月下旬に2017年3月期の通期連結営業利益予想を44億円から19億円に下方修正した。9月中間決算の営業利益は当初見込みを上回る14億円だったが、通期予想は、(1)円相場の想定を1ドル=110円から100円に変更したこと、(2)タブレットPC需要の低迷などにより光学樹脂材料の売上高が大幅に想定を下回ること……を理由に下方修正した。

しかし、トランプ氏が米大統領選で勝利し、為替が(1)の予想に反して円安に振れている。このため、今後は業績予想を上方修正する可能性があり、そうした期待が株価を押し上げる要因となっている。

キヤノン、年間配当は前期と同じ150円

キヤノンはカメラ、事務機器の最大手。株式市場では以前から為替感応度の高い代表的な輸出関連株として知られている。

最近では宇宙ロケット事業への参入が話題となった。株価はデクセリアルズと同様に、11月上旬のトランプ氏の米大統領選の勝利を境に値を戻している。

同社は、露光装置が好調ながら事務機器が苦戦していることから、2016年12月の連結業績は減収減益になると予想している。キヤノンは11月25日、「当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあるが、前提としていた為替が、米国の利上げ期待などから円安基調に転じている」として、安定的で積極的な株主還元を実現するため、期末配当予想を2015年度と同じ75 円、年間で150 円に据え置くと発表した。

ビーピー・カストロール、配当性向は高いが業績は伸び悩み

ビーピー・カストロールは英石油大手BP系の石油製品会社。乗用車や二輪車、商業車向けに潤滑油を販売している。

2014年12月期から配当性向を100%前後まで引き上げ、純利益のほぼ全額を配当に回している。一方で少子高齢化に伴う国内新車販売の伸び悩みや、ドライバーのカーメンテナンスに対する関心の低下などを背景に売上高、利益とも減少傾向をたどると予想されている。2016年12月期の中間配当は前年同期と同じ26円だったが、期末配当は前年より3円少ない40円とする方針を表明している。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)