とても寒い日が続いていますが、ようやく株式相場も本格的に調整感が出てきたという感じです。昨年の米大統領選挙から「グレートローテーション」と言われて債券から株へのシフトも一服となり、新大統領の政策とともに、金融政策も気になるところです。順調に利上げをするということであれば、ドル高になるのでしょうが、英国のEU(欧州連合)離脱も含めて欧州の混乱もドル高要因となり、米国内でドル高を懸念する動きがでるのではないかと気になるところです。
今すぐにどうしたということでもないのでしょうが、米国の利上げが続く中でドル高が進むということになると1985年の「プラザ合意」のようなことが起こらないとも限らず、ユーロやポンドも含めた歪んだ為替の調整があれば、1987年の「ブラックマンデー」の再来となってしまうのでしょう。まだ、そこまでは考えなくても良いと思いますが、週刊誌がこぞって「大相場が来る」「大暴騰だ!」と言っているときにはあえて逆の「懸念」も考えておいても良いと思います。
米国市場が軟調、為替も大きく円高に振れたということで冴えない展開が続きそうです。さすがに昨日、一昨日と連日で大きく下落したこともあり、底堅さも見られそうですが、日銀の買いが入っても買い支えとなっておらず、引き続き手仕舞い売りに押される展開になりそうです。空売りの買い戻し一巡からの売りということで売り方の回転も効いてきており、戻りは鈍く、冴えない展開となりそうです。小型銘柄も全体的なリスク回避のなかで動きが鈍くなりそうです。
19,000円をあっさりと割り込んだことで今度は19,000円とか19,300円というところが上値の節目となりそうです。下値は引き続き18,500円~600円水準と見られ、その水準まで下落となると買い戻しが入りそうです。当面は18,500円~600円を底値、19,000円を超えると売られるということになりそうです。
本日の投資戦略
大きく円高に振れ、指数も連日の大幅安となっています。昨年の米国の利上げ以降、米国の金利は低下傾向にあり、ドル高が徐々に是正されてきていたのですが、ここで一気に円高になりました。英国のEU離脱問題や米新大統領の資質が問われれているということも「リスク」として回避する動きになっているものと思われます。
日本市場でも米新大統領のこれまでの言動に対して騒ぎすぎという感もあります。英国の問題も含めて確かに影響は大きいのでしょうが、それよりも個々の企業の業績に何がどのように影響するのかをしっかりと見極める必要もあるということでしょう。ここまで相場の下支えとなっていた信用取引の売りも依然として多いのですが、急落、そして節目を割り込むとなると買い戻しを急ぐこともなく、下値を見極めるということになりそうです。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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