(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)
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個人型確定拠出年金は法改正により、2017年1月から公務員や専業主婦にも対象範囲が広がり、基本的に60歳未満のすべての人が利用できるようになった。今まで以上に公的年金の不足を補う手段が増えたことになる。

個人型確定拠出年金は、英語表記で「Individual-type Defined Contribution Pension Plan」で、頭文字をとって「iDeCo (イデコ) 」と呼ばれる。注目されているiDeCoについて解説しよう。

iDeCoとは ?

公的年金の上乗せ制度として利用でき、老後生活の収入面を充実させることができると期待されているのがiDeCoだ。

日本の公的年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する国民年金、厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人が加入する厚生年金、公務員や私立学校教職員などが加入する共済年金がある。この公的年金を補完する役割を担うのが私的年金だ。

私的年金は大きく分けると「確定給付型」と「確定拠出型」の2種類がある。確定給付型とは、あらかじめ給付額が定められている年金制度だ。将来の給付額が決まっているので、受給者は加入者が老後計画を立てやすい反面、運用の低迷などで必要な積立水準が不足した場合は、企業などが追加拠出をしなければならない。一方、確定拠出型は、拠出した掛金額とその運用収益との合計額を基に給付額を決定する。

さらに確定拠出年金には「企業型」と「個人型」がある。企業型は会社からの拠出に加え、規約に定めれば、個人からの拠出も可能だ。一方、個人型は個人の拠出のみである。今回、法改正されたのは後者の個人型確定拠出年金 (iDeCo) だ。

iDeCoのメリット・デメリット

対象者が広がったことで、iDeCoはほとんどの現役層が利用できるようになった。iDeCoのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのかを見てみよう。

● メリット

1. 掛け金支払い時、運用時、受け取り時に税制上の優遇が受けられる
この税金優遇のトリプルメリットがiDeCoの最大の特徴だ。支払う掛け金は、所得税と住民税を計算する際、所得控除 (小規模企業共済等掛金控除) として差し引くことができ、所得税と住民税の節税メリットがある。また、運用益は非課税のため、複利効果を最大限活用することができる。さらに積み立てた資産を一時金で受け取る場合には退職所得控除、年金で受け取る場合には公的年金等控除が適用される。

2. 転職しても継続して運用できる
iDeCoに加入している場合で、企業型確定拠出年金を利用している企業に転職しても、年金資産を企業型確定拠出年金に移換できる。

3. 運用を自ら行える
iDeCoは拠出した積立金を自分自身の判断で運用することになる。従って、自分のリスク許容度に合わせた運用が可能だ。

● デメリット

1. 運用リスクがある
支払う掛け金をどのように運用するか加入者本人が決められるが、運用リスクは加入者が負わなければならない。従って、受け取り時に元本割れしている可能性があることには注意が必要だ。なお、元本割れを嫌い、全額を元本確保型で運用した場合も、税金優遇のトリプルメリットは受けることができる。

2. 手数料がかかる
iDeCoは加入時の手数料や毎月の口座管理費が必要となる。運営管理機関や事務委託先金融機関によってその額は異なる。

3. 途中で引き出せない
基本的に60歳になるまで引き出すことはできないため、余裕のある資金計画を心がけたい。

iDeCoを利用すべきか

iDeCoは自ら金融商品を選び、場合によっては入れ替えていく必要があるため、投資経験がない人は不安もあるだろう。しかし、少子高齢化が進む日本では、若い世代ほど自助努力による資産形成および老後資金の準備が必要といわれている。

運用結果次第では元本割れのリスクはあるものの、前述の税金優遇のトリプルメリットも魅力的である。公的年金だけでは不安がある方は、メリットとデメリットを認識したうえで、iDeCoの活用を検討してみてもよいかもしれない。(提供: 大和ネクスト銀行

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