NISA 期間
(写真=PIXTA)

今回はNISAを活用される上での非課税期間について述べていきたいと思います。


NISA制度の概要と非課税期間に関する現在の決定状況

100万円までの少額の投資から生じる利益を非課税とする少額投資非課税制度(=NISA)が現在注目を集めています。NISAは1人1個まで金融機関まで口座を作ることができ、その口座から取引をした金融商品の利益が非課税となります。つまり、金融機関などで作ったNISA口座からの投資で利益が出ればその分すべてが非課税として自らの利益とすることができるという制度です。

NISA口座の具体的な利用方法としては、「利益がかたい」商品やリスクが大きいものの高配当な商品を購入して利益を出すなどの方法が考えられます。元本が100万円までであれば「儲ければ儲けるほど得をする」というのがNISAの特徴です。
ただ、このNISA制度は現時点では永久なものとはなっていません。この原稿を書いている平成25年10月時点では、非課税口座開設可能期間は向こう10年間で口座開設から5年間が非課税となるというのがルールです。つまり基本的には、向こう10年間で5年間の期間のみ、NISAによる非課税の恩恵を受けることができるということになっています。


NISA(ニーサ/日本版ISA)口座開設から5年経過後のロールオーバーについて

ご自身のNISA口座を作られてから非課税となる期間は5年ですが、その後、制度自体が生きている10年の間は、再度新しいNISA口座を作って、金融商品を移すことができます。これを移管(ロールオーバー)と呼びます。
ただ、新しいNISA口座にロールオーバーできるのは、100万円に限ります。NIAS制度の投資元本が100万円であるためです。100万円を超えた分は課税口座に移すこととなります。このように、NISA口座開設から5年経過をめどにNISA口座を維持するかどうかを再検討することとなります。では、NISA口座を維持するか否かはどのような基準で考えるべきなのでしょうか。


5年経過後にロールオーバーするべきか通常の口座に移すべきか

5年経過後、当初に保持していたNISA口座の期間満了後にロールオーバーするべきか否かは以下のような基準で考えてみることがひとつの基準としておすすめすることができます。まず、前提として、口座を移す時の価格が金融商品の取得価格となります。例えば、100万円で購入した投資信託商品があった場合には、口座を移すときに、時価が120万円になっていれば、課税口座に移さなければならなくなります。

この点から考え、60万円で購入した金融商品が80万円に値上がりしている場合にはNISA口座にロールオーバーすることがおすすめできます。80万円の金融商品を購入したと評価され課税はされないためです。一方で、100万円を超える株式などを保有している場合には売却などを検討された方が良いと言えます。現時点における金融資産からの利益にかかる推定の税率は20パーセントであるため、税率は決して低いとは言えないためです。

さらに、最も注意したいのが非課税期間に値下がりしていたものの課税口座に移してから値上がりした場合です。この場合には、存外の高い税金がかかる可能性があります。つまり、100万円で購入した金融商品をNISA口座に保有後、70万円に値下がりした時点で通常の口座に移した上、かつ、その後に140万円まで値上がりした時点で売却したとすれば、口座から移した時点から利益考えて70万円の利益が出たこととなり、この20パーセント、つまり、14万円もの課税がされることとなります。このように、100万円未満の金額で金融商品の価格が推移するのであれば、ロールオーバーが圧倒的に得ですが、100万円を超える場合や価格の変動が予想される場合(例えば株式等)には、慎重な判断が必要となります。


NISAは利益を保証する制度ではありません

最後にNISAは利益を保証するような制度ではなく、利益が出た場合だけ課税上のメリットが生じるに過ぎない制度という点には大いにご注意していただく必要があると言えます。利益が出た場合には、非課税となりますが、その投資元本は100万円までと制限されています。そして5年経過後には終了となる上(ただ、将来、政治判断で制度が延長される可能性はありえます)本文でも述べましたようにかえって税金がかかってしまう可能性もあり得ます。NISAという制度自体に過度な期待をされるのは、やや危険ということができます。

ただし、税金がかからないという点は大きなメリットである点には違いがありません。また金融機関で口座を開設することよって、様々なサービスを受けることができるなど副次的なメリットも期待できます。さらに、これから投資を始める方にとっては、投資を始める、勉強する機会とすることもできます。NISAに対して過度な期待をすることは禁物ですが、少額の資産運用の手段としてはとても有効なものと言うことができますので、「投資はあくまでも自己責任」という鉄則を確認されつつ、NISAという新しい金融政策の中で、少額の投資を慎重に、しかし余裕を持って「楽しむ」という姿勢が良いのではないかと思われます。

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