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NISA、少額投資非課税制度という言葉は、最近、テレビや新聞などで、見聞きする機会があるかと思います。NISAは、新たに時限的に実施される投資優遇税制制度です。イギリスのISAを手本としており、日本版ISAとも呼ばれています。

50代までに事業所得で一財産築き、不動産や預貯金も十分にある、老後の心配はない、という幸せな資産家の方もいらっしゃるでしょう。しかし人生にリスクヘッジは必要です。いつ、何が起こるかわかりません。そんな50代の資産家にふさわしい、ささやかなリスクヘッジの方法があります。それがNISAです。


そろそろ老後を見据えた資産形成を

さて、50代はまだまだ現役でバリバリ働ける世代ですが、60代はもうすぐです。定年や隠居の時までもうわずかです。しかし、日本人の平均寿命は80歳を超えています。まだ30年以上もあるのです。これまでに十分な資産を形成した、という方もいらっしゃるでしょうが、この先30年、本当に大丈夫でしょうか?資産の中身はどうでしょうか?不動産と預貯金、あるいはいずれ満期を迎える保険だけ、ではありませんか?
賃貸マンションなど不動産収入がある場合は、定期的な収入が確保できているかもしれませんが、30年もの間には大規模改修も必要になるでしょう。また、預貯金については、低金利の今日、金利収入は多くを望めません。

その中で資産を分散して多様化し、リスクヘッジを行うことが必要です。その際に、少額の証券投資で、売買益や配当が非課税になるNISAは、新鮮味のある投資方法です。50代から投資を始めるのにもぴったりです。株の短期売買で収入を得ているなら、長期保有というポートフォリオを組み込むことも考えてみましょう。


50代は資産形成のラストチャンス?

世の中には60を超えて、バリバリと現役で働いていらっしゃる人も数多くいらっしゃいます。しかし、一般的に、精力的に資産を形成できるのは、50代が限界でしょう。「稼げるのは今のうち」で、これは資産家であるとなしとに関係ありません。

今のうちに、稼げるだけ稼ぎ、資産の礎を強固なものにすることが必要です。そのリスクヘッジとして未来への「投資」を行うのです。そのためには、専業のデイトレーダーでない限り、金融資産の値動きに一喜一憂しているわけにはいきません。ほったらかしでも長期的に安定して資産運用できる手段が必要なのです。それには、NISA口座を開設し、長期的な成長が見込める金融商品を購入するのが一番です。


10年後、セカンドライフを歩むための原資をしての活用

NISA口座では、年間100万円までの投資について売買益や配当が非課税になります。5年後にはそのうち、当初の100万円から順次100万円を新たなNISA口座に組み入れて、さらに5年間運用することができます。つまり10年間にわたり合計500万円を非課税で運用できるのです。10年後、老後を迎えるための資産づくりに、適した制度です(もちろん、証券ですからリスクはあります。できるだけ長期投資に適した金融商品を選ぶことがポイントになります)。そうして形成した資産は、老後の生活や事業活動に役立つでしょう。また、それまでに何かがあった場合にも、リスクヘッジとなります。


事業承継対策の準備として

いずれ60代ともなれば、子供に事業を承継することが必要になります。その時、多額の資産を贈与すれば贈与税がかかりますし、死後相続となれば莫大な相続税が発生する可能性があります。そのために、「生前対策」が必要なのです。その有効な策のひとつが「贈与」です。贈与税は年間110万円までが非課税です。
年間110万円を、5年間、合計1,100万円贈与しても非課税です。つまり子のNISA口座を開設し、年間100万円を贈与することにすれば、事業承継の生前対策となり、子の資産形成、つまり承継後の事業の資産形成にもつながるのです。50代の資産家にとっては、こうした形でNISAは口座を活用するのが、一般的なケースでしょう。

なお、その際もNISAは口座で講習した証券資産が「目減り」することのないように、商品を慎重に選ぶことが必要でしょう。一旦利用したNISAの枠は再利用できませんが、いくらでも複数の投資商品を購入することは可能です。株や債券、国内国外など、投資信託商品のなかでもその特徴をみきわめて、可能な限りリスクの分散を行う、というのもひとつの考え方です。

50代の人にとっては、株や証券投資は一部の人のもの、という意識が強い方が多いでしょう(株や先物取り引きを敬遠してきた資産家の方もいらっしゃるでしょう)。しかも、今日では4000もの投資信託商品が発売されていることを知って驚く人もいるでしょう。しかし、NISAは、そんな人にも手軽にスタートできる、非課税の証券取引口座です。これまでの人生とは一味違う、資産形成をスタートしてみませんか?