NISA(ニーサ/日本版ISA/少額投資非課税制度)で行うオルタナティブ投資
利益が出るほどNISAのメリットを享受できますが、投資信託のカテゴリ別リターンランキングは年によって全く異なっています。含み損を出さないために、情報収集をして動向を予測する他、分散投資が役立ちます。
オルタナティブ投資は、幅広い分野に投資したり、リスクを抑える手法をとったりするものです。投資信託では、少額からそうした投資を行うことができます。そこで今回は、REIT、コモディティ、ヘッジファンドのカテゴリに属する投資信託の特徴を見ていきます。金融機関での取扱状況については、投資信託の取扱本数が多いSBI証券と楽天証券について調べます。
NISA(ニーサ/日本版ISA/少額投資非課税制度)とREIT
図はカテゴリ別のリスクリターングラフで、5年リターンと標準偏差をもとに表示してあります(出典:モーニンスター)。
濃い緑色が国内REIT、濃いピンク色が国内株式、薄いピンク色が国際株式、青色が国内債券、水色が国際債券、コモディティとヘッジファンドを除く灰色がバランスファンドです。
国際REITは投資対象地域の広さと、グローバルに投資するファンドのヘッジによって、リスクリターンに差が出ています。国際REIT・グローバル・特定地域のファンドは、米国REITへの投資が多いです。
モーニグスターのサイトに3年のリターンと標準偏差が掲載されている国際REIT・グローバル・含む日本(F)のファンドについて見ると、リターンは13.33%(3.94%~18.85%)で、標準偏差は19.92(15.31~26.89)です。取扱本数は、SBI証券65本、楽天証券84本です。楽天証券の場合、内訳は海外REIT61本、国内REIT23本となっています。
NISA(ニーサ/日本版ISA)とコモディティ
インデックスファンドとファンド・オブ・ファンズが多く、商品指数連動債に投資するファンドもあります。エネルギー(WTI原油、ブレンド原油、軽油、灯油、RBOガソリン、天然ガスなど)、工業量金属(銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉛など)、貴金属、農産物(トウモロコシ、小麦、大豆、砂糖、綿、コーヒー、ココアなど)、畜産物(生牛、豚肉、牛肉など)の商品市場の影響を受けます。
モーニグスターのカテゴリでは、現在49ファンドがコモディティに分類されています。3年間のリターンと標準偏差が掲載されているファンドについて見ると、リターンの平均は2.7%(-23.44%~10.53%)で、標準偏差の平均は23.45(14.45~44.96)です。5年リターンと3年リターンに差があるようです。
NISAでコモディティファンドを購入すると、投資対象がより分散します。さらに色々なセクターを対象とするファンドであれば、各商品市場の影響を分散できます。
取扱本数は、SBI証券65本、楽天証券18本です。
NISA(ニーサ/日本版ISA)とヘッジファンド
ヘッジファンドの投資対象と手法は様々で、市場変動に影響されない絶対収益を目指すファンドが多いです。たとえば「ロング・ショート」や「マーケット・ニュートラル」は、割安銘柄の買いポジションと、割高銘柄の売りポジションを保有する手法で、マーケット・ニュートラルでは同額を保有します。
モーニグスターのカテゴリでは、現在72ファンドがヘッジファンドに分類されています。3年間のリターンと標準偏差が掲載されているファンドについて見ると、リターンの平均は0.59%(-11.59%~14.09%)で、標準偏差の平均は11%(1.79~24.86)です。
銘柄は、「スパークス・日本株・ロング・ショート・プラス」「LSオープン」「野村 ワールドスターオープン」「大和住銀 ジャパン・スペシャルニュートラル」「クレディ・スイス GTAAファンド」「アジアファンド・オブ・ファンズ連動型投信」「GS 日本株式マーケット・ニュートラルF」「ユナイテッド・マルチ・マネージャー1」「ピクテ 日本厳選株アルファ・プラス円」「リスク・パリティαオープン」「サイエンティフィック・エクイティF」「ツーピース・セレクト(為替ヘッジあり)」「サイエンティフィック・エクイティF」「日興BR・エマージング・ロングショート・F」「日興 GAMエマージングストラテジー・F(毎月)」などです。
終わりに
NISAでオルタナティブ投資をすると、投資対象の市場価格が下がったときの対策になります。
投資信託の銘柄を選定するときは、価格変動リスクを抑えつつ収益を目指すことができるファンドを選びたいものです。通貨選択型ファンドや償還日が決められているファンドが多いので、償還日を確認し為替動向も考慮したほうが良いでしょう。
photo credit:
Canadian Pacific
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