「別荘地の代表格と言えば?」と聞かれたら「軽井沢」と答える人が多いのではないだろうか。軽井沢は東京から200キロ弱、車で約2時間半。標高は1,000メートルほどで、戦前から避暑地として広く知られていた。

お金持ち,富裕層,リアル富裕層,別荘,軽井沢
(画像=Velvet ocean / Shutterstock.com)

富裕層が集まる場所・軽井沢

購入時はもちろん、別荘は保有し続けるのにもコストがかかる。基本的には経済的余裕がある人が保有するものだ。そして、その別荘が集まる軽井沢は、富裕層が集まる場所と言って良いだろう。

筆者の家も軽井沢に別荘を所有している。碓氷峠のICを降りて、軽井沢駅に向かうまでの間にあり、幼少期から小6年生まで毎年、夏休みの大半を軽井沢で過ごしてきた。中学生になると部活動が忙しくなったので、大学生になるまで行くことはなくなったが…。

軽井沢に滞在中、現地で友人に会うことも多かった。プリンスのアウトレットや、ツルヤ(現地のスーパーマーケット)で会うことは日常茶飯事。たまたまであるが、我が家の隣が同じクラスのK君家の別荘であった。K君の別荘の屋根裏部屋に篭り、当時流行していたドラゴンクエストモンスターズで遊んだのは良い思い出だ。

富裕層が別荘に求めるもの・その1

なぜ多くの富裕層は別荘を持つのだろうか。2つの理由が考えられる。ひとつは「非日常の体験」だ。一般的に、富裕層は多忙である。休日であっても東京にいると、何かとスケジュールやタスクに追われがちだ。そこで、強制的に都会の喧騒から隔離することで、リラックスできる環境を整えることができる。

上記は短期滞在を想定しているが、近年はインターネットの普及で、より長期の滞在が可能になってきているようだ。都内の優良未上場企業のオーナー社長(筆者はそのご令嬢と幼少期から仲が良い)は、ここ数年、8月はずっと軽井沢に滞在するようになった。

富裕層が別荘に求めるもの・その2

もうひとつは「閉じられたコミュニティ」だ。富裕層には多くの人間が寄ってくる。なかには、富裕層が持つ権力や資力を目当てにした人もいる。オフィシャルなパーティーには、あまり懇意にしたくない人も多く潜り込み、本当に仲良くなりたい人との会話の時間が限られてしまう。

別荘であれば、その心配はいらない。仲良くなりたいと思っている少数だけを招待し、閉じられたコミュニティの中で、思う存分ホスピタリティを発揮すればよい。これらは葉山であろうと、那須高原であろうと、ハワイであろうと(前述のオーナー社長はハワイにも別荘を保有している)、基本的な考え方は一緒だ。

画像1
(画像=PIXTA)

豪華に造る理由がある

豪華な建物を見て「何のためにこんな豪華に造っているのだろうか」と感じたことがあるかもしれない。もちろん、別荘を保有することに一定の見栄があることは否めないが、富裕層は基本的に「かけるコスト以上のリターンを得よう」と考える人種だ。ハイクラスになればなるほど招待したい人も同水準以上と考えられる。そのような人を招いて満足してもらうには、やはりある程度の規模や設備が必要だろう。

例えば、日本人なら誰しもが知っている上場企業オーナーが軽井沢に持つ別荘には、建物内にスカッシュコートが存在する(庭にテニスコートがある、ではない)。港区麻布にあるアメリカンクラブ内にもスカッシュコートが設置されているように、海外ではポピュラーかつ老若男女が楽しめるスポーツだ。立場上、海外からのVIPを招くことも多いのだろう。テニスと違って天候に左右されず、建物内にあるので、パーティールームから気軽に移動できるという配慮もあるのかもしれない。

富裕層の思想や哲学が反映されている

このように別荘は、富裕層なりの思想や哲学が反映されていることが多い。今度、豪華な別荘を見かけたら「誰が所有者で、どんな人を招いて、どのような商談や懇談が行われているのだろう」と思考を巡らしてみるのも面白いだろう。

澁谷 稔
アラサー男性ライター。東京都渋谷区のとある富裕層一家の長男として生まれる。しかし本人のスペックは低め。私立幼稚園御三家のひとつを卒園後、私立小学校御三家のひとつに入学。以後、大学卒業までエスカレーター進学した「The ゆとりの産物」。知人友人に上場企業の創業家一族、未上場企業オーナー、開業医など富裕層の子息子女多数。