(本記事は、二階堂重人氏の著書『株ブレイクトレード投資術』徳間書店、2018年4月30日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『株ブレイクトレード投資術』シリーズ】
(1)儲けられる人と儲けられない人のスキルの違いとは?
(2)相場で勝つ人はチャートの「2つのブレイクポイント」を知っている
(3)1日1億円も?デイトレードの「資金効率」はどのくらいすごいのか
(4)損失をコントロールする「ロスカットタイミング」4つのポイントは?
(5)ロスカットより難しい「利食い」のポイントは?
現実は甘くない
私のように、夢を抱いて株式市場に参入してくる人は多いはずです。
しかし、現実は甘くありません。
ほとんどの人は、株式投資や株トレードで損をするようです。
一時的に、利益が出る人は多いでしょう。しかし、そのほとんどが含み益。決済していない、計算上の利益です。
そして、その含み益はある日突然、吹っ飛んでしまいます。
【億り人の投資哲学 JACKが聞く「勝利の法則」】
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・株は参入当初は誰でも儲かるものと心得よ
よくあるのが、テレビのニュース番組の特集を見て株を始めたが損をしてしまった、というパターンです。
ニュース番組で株式投資の特集が頻繁に組まれるときがあります。
たいがい、儲かっている主婦やサラリーマンが出てきます。
家事の合間や会社から帰った後にパソコンやスマホで株価を見ているような映像が流れる。そして、「株式投資を始めてからの利益は数百万円です」というようなコメントが出る。しかも、テロップで強調。
こういった特集を見ると、「株をやらなければ損だ」「自分も株をやれば儲けられる」という錯覚に陥り、参入してきます。
それでも、株を始めたばかりのころは、利益が出ることが多いでしょう。
しかし、あるとき、相場が暴落し、その時点で含み益が含み損に変わってしまいます。
そもそも、ニュース番組が株の特集を組むのは、株高のときです。それも加熱しているときです。
これを見て株を始めると、株高の流れが続いているので、初めのころは含み益が出ます。
しかし、ある日突然、相場が暴落します。たいがい、加熱した後には暴落があります。お決まりのパターンです。
この暴落に巻き込まれて損をしてしまう。
現実は甘くないのです。
株で儲けられる人と儲けられない人の違い
なんだか暗い話になってしまいましたが、私のように儲けられる人もいるわけですし、私など比べものにならないほど儲けている人もいるわけです。それも、たくさん。
これも現実です。
では、株で儲けられる人と儲けられない人とでは、何が違うのでしょうか。
これは、「過去の私」と「現在の私」を比較すれば、簡単にわかりました。
また、「暴落に巻き込まれた人」と「私」を比較してもわかるでしょう。
違いは、「トレードのスキル」があるか、ないかです。
・ヘッジをかけるという発想が持てるか、否か
たとえば、相場が加熱してきたとき、私は持ち株があったらヘッジをかけます。
ヘッジとは、損失を軽減させる目的で持つ金融商品のポジションのこと。保険と考えてよいでしょう。
主に、日経平均先物のショート・ポジションを持ちます。これは簡単にいうと、日経平均株価が下落すれば利益が出る金融商品です。
こうすれば、株式相場全体が急落や暴落し、持ち株は値下がりして利益が減ってしまっても、日経平均先物のショート・ポジションでは利益が出ます。急落や暴落による利益の減り分が少なくてすむわけです。
トレードについて勉強していれば、このくらいのことはできます。
しかし、テレビ番組の特集を見て株式投資を始めたばかりの人はできないでしょう。まず、「ヘッジをかける」といった発想すら出てこないはずです。
株式投資や株トレードで儲けられない人は、このようなスキルがないわけです。
相場全体が上昇傾向のときに限定したトレード
「いや、そんなスキルはないので、やっぱり株で儲けるのは無理だ」と思った方もいることでしょう。
株で儲けるコツはいくつかありますが、最も簡単なのは、「儲かりやすいときだけ、トレードをする」。当たり前のことですが、ほとんどの方ができていないようです。
では、「儲かりやすいとき」とは、どのようなときだと思いますか。
それは、「相場全体が上昇傾向のとき」です。
相場全体が上昇傾向のときは、多くの銘柄が値上がりします。買った株が値上がりする確率も高いわけです。
また、相場全体が上昇傾向のときは、上げ下げを繰り返しながら高値を更新していく銘柄がたくさんあります。そのため、あまりいいタイミングで買えなかったとしても、相場全体の上昇に影響されて、値上がりする確率が高いです。
さらに相場全体が上昇傾向のときは、投資家やトレーダーが強気になるので、上値を追いかける(現在の株価よりも高い値段で買う)ことが多く、大きく値上がりするチャンスといえます。
つまり、相場全体が上昇傾向のときは、銘柄選びがうまくなくても、買うタイミングの見極めがうまくなくても、大きく儲かる確率が高いというわけです。
・追い風のときを待ち、追い風のときだけ投資・トレードをする
相場全体が下落傾向のときに株を買うのは、向かい風の状況で走るようなもの。体力の消耗が大きく、極めて効率の悪い走法です。
逆に、相場全体が上昇傾向のときに株を買うのは、追い風の状況で走るようなものですので、体力の消耗が少なく、極めて効率のよい走法なのです。
どちらがいいかは、言うまでもないでしょう。いつ買うかは、投資家やトレーダーの自由です。どのような状況でも買わなければならない、ということはありません。
あえて、向かい風の状況で走る必要はないでしょう。
追い風のときを待ち、追い風のときだけ投資・トレードをすればよいのです。
二階堂重人(にかいどうしげと)
専業トレーダー。株で「勝つための知識とテクニック」を徹底的に研究。テクニカル分析を駆使したデイトレードやスイングトレードが中心。株トレードで驚異の勝率をたたき出している。著書累計は80万部を突破。主な著書は、『株トレード カラ売りのルール』(すばる舎)、『株「常勝」トレーダー100の教え』(電波社)、『小心者こそ儲かる7日間株トレード入門(ビジネス社)、『株トレード1億円を目指すチャートパターン』『最新版これから始める株デイトレード』(日本文芸社)など多数。
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