(本記事は、菅谷信一氏の著書『最新LINEビジネス活用講座』主婦の友社、2019年2月22日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

短期決戦時代にビジネスマンがすべき情報発信、その重点ポイント

最新LINEビジネス活用講座
(画像=TATSIANAMA / Shutterstock.com)

●現代のビジネス環境を理解する

今日のインターネットは、スマホで始まりスマホで終わると言っても過言ではないほど、スマホを中心に回っています。しかし、そのことを理解できていない経営者はまだまだ多いのです。

特に私と同じ50代から上の世代の方たちは、全くと言っていいほど理解できていないことがあるので注意が必要です。

そのような中高年世代の経営者もスマホの大切さをある程度は認識していますが、「パソコン向けにきちんとホームページを作っておけば間違いない」「ユーザーがスマホで見る情報は限られているから、スマホ対応にそれほど力を入れなくてもよい」などと、危機意識が不足している方がかなりの割合でいるのです。

経営者がそのような認識でいるなら大変危険です。変化を読み取る目が濁ってしまっています。

たとえば今、営業の現場で営業マンは何を持って出かけているか。ひと昔前ならノートパソコンを持ち歩いていたでしょう。最近ではタブレットを持たせている会社も多いかもしれません。

営業マンはそういったツールを用いて、社内と情報を共有したり、社外のお客さんなどとコミュニケーションを取ったりしていました。しかし昨今では、スマホの大画面化、高性能化がいっそう進んだことにより、スマホ1台でほとんどの仕事が完結するようになりました。

小型の高性能パソコンがポケットに収まるようになったわけです。営業マンにはノートパソコンでもタブレットでもなく、スマホ1台だけを持たせて外回りさせている会社も増えています。これはビジネスの現場だけでなく、日常生活においても同じです。

若い方のほとんどは、物心がついたときからスマホが当たり前に存在する環境にいます。

スマホだけで情報収集やコミュニケーションを済ませられるので、パソコンを使ったことがないという方も多い。これからもさらにスマホ中心の傾向は強まっていくと考えられます。

どのような企業も、持続的に成長するためには変化対応業であることが求められます。現代はスマホ社会であること、情報社会はスマホ中心に世界が回っているということを素直に認識して、その状況に自社のビジネスを合わせていくことが大切です。

●企業や店舗の情報発信もスマホ対応が必要

スマホ社会の到来によってユーザーに起きている変化のひとつは、意思決定の迅速化です。旧来、企業のホームページといえば、何十ページもある情報の量で勝負していました。

スマホ社会の現代では、そのような重厚な情報は好まれません。

ユーザーの企業ホームページでの滞在時間は平均1分20秒といわれます。つまり、ユーザーはホームページを訪れてから短時間で情報を確認し、判断するようになったのです。

それはユーザーがネット情報の扱いに慣れてきて、目的のサイトをピンポイントで見つけられるようになってきたからでしょう。

また、サイトを訪れたユーザーが「これは役に立つ情報が載っているサイトだ」「ここには眉唾な情報しかない」「うさんくさいサイトだ」と、取捨選択する目が肥えてきたとも考えられます。

自分にとって役に立たないサイトと判断すれば、すぐさまブラウザを閉じて他のサイトを探す。それが現代のユーザーの行動です。

情報を短期間で見極める嗅覚を、多くのネットユーザーが持ち合わせるようになってくると、企業のホームページに何十ページもの充実した情報を載せることは不要になります。

極端な話、ペラ1枚型のランディングページで十分になっているのです。つまり、情報戦が短期決戦になっているということです。

その流れにビジネスのスピードも合わせていく必要があります。特にホームページのスマホ対応は必須と考えられるわけです。

●経営戦略にもスマホが欠かせない

経営のあらゆる局面でスマホ対応を考えなければならない時代です。私が中小企業の業績アップを目的とした経営コンサルティングを行う際、根底においている考え方が、ランチェスター経営戦略です。

なかでも、私の師匠であるランチェスター経営株式会社の竹田陽一先生の考えに倣っています。竹田ランチェスター経営における会社の業績を決める8大要因は次のとおりです。

【ランチェスターにおける経営の8大要因】
1.商品対策(商品・サービスの何にテーマを絞るか)
2.エリア対策(商圏エリアをどこに絞るか)
3.客層対策(どのような会社・客層に絞るか)
4.営業対策(どのような方法で新規客を獲得するか)
5.顧客対策(どのようにリピート促進をするか)
6.財務対策(どのようにお金を使うか)
7.組織対策(どのような人材・組織で取り組むか)
8.時間対策(どのように時間を使うか)

いずれも会社経営に大事な要素ばかりですが、これらの対策・戦略を実施しようとする際、各場面においてスマホありきで物事を考える必要性が生じています。

たとえば、「7.組織対策」はスマホと関係ないように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

パソコンを持っていない若者が増えていることはすでにお伝えしましたが、パソコンを持っていないということは、すべてをスマホで完結させているということです。

人材採用の情報や受け付けの仕組みをスマホ向けにしなければ、その会社は学生や求職者からは存在しないも同然になってしまいます。

また社内のコミュニケーションや教育においても、いかにしてスマホで効率化できるかは大事な視点となっています。

「8.時間対策」は、「従業員の時間をどのように使うか」を指しています。たとえば上司が、今日1日の作業についての指示をスマホで行い、従業員は業務報告をスマホで提出する、といった使い方も考えられます。

このようなスマホの活用方法を考えるときに大切なことは、まず戦略を明確にすることです。スマホやそのアプリであるLINE、LINE@は、あくまでもツールです。

戦略があってはじめてツールの使い方が決まってきます。経営のどの場面に、スマホやLINE@を使うのかを、まず意識してください。

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菅谷 信一(すがやしんいち)
中小企業・業績改善コンサルタント。株式会社アームズ・エディション代表取締役。一般社団法人日本動画マーケティング協会代表理事。大学卒業後、日立製作所関連会社で人事・教育を担当した後、 障害者のための福祉施設「茨城福祉工場」で社内企業家として続々とヒットビジネスを企画する。2001年に独立開業。YouTube動画とLINE@を活用した集客法を企業に支援し、これまでに総額50億円以上の売上アップの実績を持つ「YouTube・LINE@専門ネットコンサルタント」。

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