要旨
- 「働く女性の管理職希望」では、正規雇用者で非管理職のうち、管理職に興味がある女性は2割弱であり、年齢や最終学歴等の属性による違いがあった。本稿では、どのような属性の影響が大きいのかについて、重回帰分析を用いて分析する。
- キャリア形成に積極的な考え方は何よりも管理職への興味を高め、働くことに消極的な考え方は管理職への興味を低減する。また、女性の社会進出が進み、キャリア形成初期の若い世代であること、子どもがいることは管理職への興味を高める。
- 年齢別には、30歳代ではキャリアも家庭も重視する考え方で、子どもがいることは管理職への興味を高める。仕事か家庭かを選ぶのではなく、仕事も家庭も望むような世代となっている。なお、40歳代では短大卒であることは管理職への興味を低減させる。
- 若い世代ほど、女性が当然のように働き、家庭を持つことも望んでいる。新入社員の男性の育休取得意向が7割を超える中では、男性が当然のように家事や育児をしながら働く時代も遠くないのかもしれない。
- 平成は、「女性」が仕事と「育児」を両立するための環境整備という観点に重きを置かれていたが、令和は、性別によらず、環境整備が望まれる時代だ。また、更なる高齢化により「介護」の観点も強まるだろう。