戦略的シナリオトークに欠かせないツールとは?

相手の好感のツボがわかったら、それを最大限生かして、信頼の獲得に取り掛かります。人は、自分の好きな話をするときにごきげんになります。好きなことについて、深く広く語れることほど楽しいことはないからです。

相手の好感のツボがわかったら、そのことについて話をするだけで、相手は信頼と好感を持ってくれます。

ここで問題になるのが、相手の好感のツボを話題にどこまで深い話ができるかです。野球ファンなら、応援している球団の動向、主力選手、今年の成績など細かいことを知っていればいるほど、相手は喜んでくれます。映画好きな人であっても、洋画好きと邦画好きでは話題が全く変わります。

戦略的シナリオトークで最大の目的地である相手の好感のツボを探ることができても、そのことについての知識教養がなければ、相手がごきげんになる会話は交わせません。結局、知識教養の広さ、深さが営業力につながるといっても過言ではないでしょう。知識教養は一朝一夕で身につくものではないので、日頃からの情報の貯金が必要になります。

戦略的シナリオトークと知識教養、これこそがトップ営業マンに求められるスキルです。

雑談という概念から抜け出し、計画性、戦略性を持ったトークを心掛けていきたいものです。

安東徳子(あんどう・のりこ)
株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役
明治学院大学社会学部社会学科卒。広告代理店勤務、ピアノ講師を経て、1986年からウエディングプランナーとして活動。1992年、東京観光専門学校にて日本初となるウエディングの専門教育に着手し、1996年にウエディングプロデュース事業を立ち上げる。その後、ホテル、結婚式場などのコンサルティング事業を開始。美容系専門学校の創立に参画し校長に就任。コンサルテーションを担当。現在はサービスビジネスコンサルタントとして活躍。株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役、株式会社ポジティーボ取締役、一般社団法人日本ヘッドスパ協会理事。著書に、「究極のホスピタリティを実現する「共感力」の鍛え方――AIにはできない、人にしかできない!」などがある。(『THE21オンライン』2019年10月21日 公開)

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