「雑談」を「戦略的シナリオトーク」に変える

雑談,戦略的シナリオトーク
(画像=THE21オンラインより)

たいていの上司は、『まずは雑談で顧客の心をなごませて……』、とか『雑談を通じて仲良くなって……』など、訳知り顔で部下に教えます。雑談こそが営業力のシンボルとでも言わんばかりですが、営業に雑談は本当に必要なのでしょうか?

実は、トップ営業マンは決して雑談はしていません。営業に必要なのは、『雑に話をする』雑談ではなく、綿密に計画された『戦略的シナリオトーク』です。雑談に見えて雑談でない話。これがトップ営業マンに共通しているスキルなのです。

まずは『雑談』という言葉を捨てる

雑談という言葉を聞いて、あなたはどんな会話を想像するでしょう?

1・決められたテーマがない

2・決められたメンバーもいない

3・決められた時間もない

4・決められた目標もない

5・決められた評価項目もない

これが雑談です。つまり、無計画、無目的な話です。

社内で雑談という言葉を使いだすと、誤解が生まれてしまいます。つまり、『営業のスタートは、目的もなく、計画もない話をしなさい』と言っているようなものです。これでは、よい話ができるわけがありません。

営業に雑な意識で雑な言葉を使う無駄な時間は1秒もありません。逆に1秒1秒が戦略に基づいた綿密なコミュニケーションであるべきです。

まずは、営業行為としての雑談という言葉を使わないこと。これがトップ営業を目指すための第一歩です。

必要なのは「シナリオ」

それでは、いわゆる雑談と呼ばれることの多い営業トークの冒頭部分はなんと呼ぶべきなのでしょうか?

私はそれを、『戦略的シナリオトーク』と呼ぶことにしています。

営業トークには、綿密に計画されたシナリオが必要です。

戦略的シナリオトークは無駄話ではありません。必然の会話です。営業トークの基本はイニシアティブを持つこと。雑談に見せかけて、実は冷静に目的地に誘導していく。これが戦略的シナリオトークです。

中でも接客の最初の5分は、結果に大きく影響します。顧客は、第一印象と共に、『第一評価』を下します。最初の5分で、ほぼ顧客の答えは出されてしまうのです。