(本記事は、近藤 悦康の著書『はたらくを、しあわせに。』株式会社クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

人からもらったチャンスが、志の種になる

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(画像=Robert Kneschke/Shutterstock.com)

一見、志があるから、やる気があるように思われるかもしれません。もちろん、志がある人は、やる気もあるのですが、逆もまた真なり、とは限らないのです。

人から与えられたきっかけを、素直に興味とやる気を持って打ち込んでいたら、それが志になることもあります。

つまりは、志は、誰かが与えてくれたチャンスから、生み出されることが多くある、ということです。

私の人生を振り返ってみても、これまでに「やりたい」と思ったことを辿ると、誰かがそれにつながる種を与えてくれていたことが分かります。

私は、父親が亡くなってから、しばらく家に引きこもっており、そのタイミングでやめてしまったのですが、ずっと野球をしていました。それも、父親がきっかけです。

10代後半の私は書道に打ち込んでいたのですが、芸術に没頭し、感性を磨けたのも、引きこもっていた私を無理やり引っ張り出して、書道部の合宿に半ば拉致した(笑)恩師・曽我英丘さんがいたからです。

人事コンサルタントという職業に行きついたのも、心理学やカウンセリングを学んでいた母親の影響と、大学時代にゲーミングシミュレーションという学問を教えてくれた土谷茂久教授、大学生のときにキャンプで出会った青木仁志社長の導きがあったからです。

出会った瞬間の「やりたい」は、本当の「やりたい」ではない

仮面
(画像=Twinsterphoto/Shutterstock.com)

ただし、何かに出会った瞬間に、「これを志にして頑張りたい」とは思えないものです。

出会ったものを追求していく過程で、志に昇華していくのです。

「やりたい」という言葉には、段階があります。

第1段階の「やりたい」は「興味を持った」です。第2段階は、「できるようになりたい」です。第3段階は「極めたい」という卓越を目指す段階です。

誰かが必要としてくれる「NEEDS(ニーズ)」から興味が生まれ、認めてもらいたい、役に立ちたい、活躍したいという思いから、できるようになりたいという「VALUE(バリュー)」が高まります。そして、さらに認められたい、できるようになりたいと行動を繰り返していくうちに、もっと極めたい、心底やりたいという「WANTS(ウォンツ)」に行きつくのです。

図1
(画像=はたらくを、しあわせに。)

図のように、やりたくて、できていて、それが必要とされるレベルにある、3つの輪が全て満たされると、人はこの上なく幸せを感じるのです。 まだやりたいことが分からないという人は、目の前で必要とされていることに、とことん打ち込んで、できるレベルにしていくとよいでしょう。その過程で、やりたいことになっていくのです。何かをちょっとつまみ食いしたくらいでは、志になることはありません。

はたらくを、しあわせに。
近藤 悦康 (こんどう・よしやす)
人材採用・育成のコンサルティングや就職支援事業を行う株式会社Legaseed(レガシード)の代表取締役。1979年岡山県生まれ。2009年enジャパン調査の学生が選ぶ「こんなプロになりたい大賞」において10位。独自の人材採用手法が、テレビや雑誌をはじめ多数のメディアにも取り上げられ、NHKの『クローズアップ現代』『ソクラテスの人事』『めざせ!会社の星』、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』、FMラジオ・J-WAVEなどにも出演する。2013年株式会社Legaseedを設立。ゲーミングシミュレーション、アクションラーニング等を用いた人材採用や人材育成の仕組みを全国450社以上の企業に導入。研修の受講生は延べ8万人を超える。同社も、創業6年目で社員30名でありながら年間1.7万人を超える学生が応募する人気企業に。
「Rakutenみん就」において学生が選ぶ「2021年卒インターンシップ人気企業ランキング」では全企業中10位。また、人材業界では1位となり、『日経ビジネス』でも紹介された。著書に『日本一学生が集まる中小企業の秘密』(徳間書店)『社長のための、会社を潰さない人材採用術内定辞退ゼロ』(実業之日本社)『伸びてる会社がやっている「新卒」を「即戦力化」する方法』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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