結果よりもプロセスを8割増しで褒めろ!
2つ目はプロセス8、結果2で褒めること。上に立つ人間は、つい結果で部下を判断してしまいがちです。結果が出れば褒めるし、出なければ責める。でも結果を出すにはその前に準備段階があるはずです。
何人のお客さんと会っているのか、商談の練習はしているのか、商品の説明や約款は読んでいるのか、資格試験の勉強をしているのか。そうした努力はアポイント件数や面談件数、フォロー件数などの数字になって、表れてきます。
準備をきちんとしている人なら、今すぐではなくても、必ず結果は出るはずです。そのプロセスをしっかり評価してやることが、後々の結果につながっていくのです。
私がマネージャーを務めていたある営業所でこんなことがありました。30~40代が中心のメンバーの中に55歳のライフプランナーがいたのです。とても真面目な人でしたが、なかなか結果が出ません。本人もいづらくなって、退職願いを持ってきました。
私は「一生懸命仕事をしているあなたの存在が必要なんです」と慰留しました。この話はすぐに営業所内に広がり、真面目に仕事をすれば認めてもらえるということが周知されたのです。
そうなると、みな目先の数字ではなく、プロセスをきちんと踏んで、真面目に仕事に取り組むようになります。
万一、ちゃんとプロセスを踏んだのに結果が出ないなら、メンバーが悪いのではなく、指導したマネージャーが悪いのです。もしかしたら相手のタイプを掴みきれていなかったのかもしれないし、教え方が悪かったのかもしれません。
部下のせいにするのは簡単ですが、それをしていたら、中間層の6割は絶対について来ません。マネージャーは常に自分を振り返って反省し、メンバーのために時間を割くことが大切なのです。
3つ目は、メンバーと顔を合わせてのコミュニケーションを大事にすること。個人で営業していたときは、私も直行直帰ばかりでしたが、マネージャーになったら、会社にいることも重要だと感じます。
私自身を振り返っても、営業所に戻って、マネージャーがいるとほっと安心できました。
私は部下が商談で遅くなるときは、必ず戻るまで会社に残っています。そして、成果が出て嬉しそうな顔をしていたら「おめでとう」と声をかける。そういう何気ない交流が、「このマネージャーについて行こう」と思わせる下地になるのではないでしょうか。以上3つが、私が仙台支社を再建する際に心がけてきたことです。
最後に強調したいのは、マネージャーの使命、すなわちどこを目指すのかという最終ゴール地点です。