(本記事は、世古口俊介氏の監修・編書「しっかり1億円貯める月1万円投資術」あさ出版の中から一部を抜粋・編集しています)

長期保有
(画像=PIXTA)

株式は長期で保有し続ける

一般に「金融資産」と呼ばれるものは、預金・株式・債券・投資信託・FX・不動産REIT(リート 多くの投資家からお金を集めて不動産に投資する方法)・保険など、多くの種類があります。

なかでも、株式は収益性と流動性に優れ、損失を被る可能性はあるものの高いリターンが期待できる金融資産です。

そのなかから、日本のものなのか、海外の先進国のものなのか、新興国のものなのか、それらをパッケージにした投資信託やETFのようなものなのか……など細かく分類されますが、どの金融資産に投資するかは基本的には個人の好み次第です。

今回は、年率リターンが平均10%程度の外国株式のETFでシミュレーションを行いましたが、銘柄はとくに問いません。ただ成長力などを考えるとアメリカ株式に投資するのが、もっとも経済合理性が高いと考えられます

また、年単位で見ると損失が出る年も当然あるでしょうが、現役世代の若いうちであれば多少の投資で失敗したとしても引退までに時間があるので十分リカバリーが可能です。

大切なのは、個別の株式に投資するのではなく、今回例に出したETFといった多くの株式銘柄に分散して投資している金融資産に投資し、個別銘柄のリスクを分散することです

そして、1度や2度、損失を出したからといって、投資をやめてしまわないことです。

リーマンショックのとき、株式を保有している多くの方が損切りしていました。ただそのあと株式を保有し続けていたらほとんどの株式は現在、リーマン前の水準を超えています。

大事なのは長期で保有し続けることなのです。

多少のリスクは通行料。株式は長期投資でリターンをゲット

個人がプロに勝つには長期運用しかない

例えば株式投資であれば、自己資金だけではなく、信用取引で借入を使い、一時的に投資元本を大きくして、いわゆる「ギャンブル感覚」で投資を行っている人も散見されますが、これはやめたほうがいいと思います。そういう方は、ちょっと上がったらキャッシュに戻してとか、損切りしてとか、短期的な売買をしてしまいがちです。

しかし、株式市場は機関投資家やヘッジファンドなどが参加するプロの市場です。少し勉強した個人投資家が短期売買でプロの投資家に勝てるはずがありません。

個人がプロに唯一、勝つためには、長期的な資産運用をするしかありません。

プロの投資家は決められた1年や2年の期間で目標のパフォーマンスを生み出すことが使命ですが、個人の投資期間は10年や20年と圧倒的に長く考えることが可能だからです。

また金融機関の、お客様へのアプローチ(提案)もよくありません。

世の中にある銀行や証券会社が提案する投資信託といわれる商品があります。2018年に金融庁により発表された報告によれば、銀行で投資信託を購入した人の半数が損失を出しているという衝撃的な結果となりました。

これは銀行の担当者がその時々で、手数料を得るためや販売しなければならない投資信託を提案し、お客様に短期売買をさせているからです。販売手数料の高い投資信託を短期で売買していたら利益が出ないに決まっています。

株式投資はギャンブルではない!長期運用で着実に資産を増やそう

社会人の常識: 仕事のハンドブック』
世古口 俊介
株式会社ウェルス・パートナー代表取締役。1982年三重県生まれ。大学卒業後、2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社。三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイス銀行(クレディ・スイス証券と兼職)のプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして最年少でヴァイス・プレジデントに昇格し、2016年5月に退職。2016年10月に独立系の資産運用コンサルティング会社、株式会社ウェルス・パートナーを創業し、代表取締役に就任。

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