住宅ローンの「借換え」をご存知ですか?
最初に借入れた住宅ローンは返済完了まで変更できない、と思われている方もいらっしゃるでしょう。しかし、一定の条件を満たすときは、住宅ローンの借換えが有効になります。今回は、住宅ローンを借換えするメリットについて、詳しく解説します。
住宅ローンの借換えとは
住宅ローンの借換えとは、現在返済しているローンを一括返済するために新たなローンを組むことをいいます。高い金利のローンを低い金利のローンに借換えることで、さまざまな効果を期待することができます。
住宅ローンを借換えするメリット
住宅ローンの借換えによるメリットについて解説します。
①返済額を減らせる可能性がある
借換えにより金利を下げることで、利息を減らすことができます。これにより返済総額も減らすことができます。
②金利の切替えが可能
現在契約している金利(特に変動金利や短期固定金利の場合)を長期固定金利で借換えることで、将来の金利上昇に対する不安を和らげることができます。
③補償内容(団体信用生命保険)の充実
住宅ローンを借入れ時は、団体信用生命保険(以下「団信」と表記)に加入して万が一の場合に備えるのが一般的です。以前より、さまざまな疾病に対応した保障が手厚い商品も増えてきています。今後は、団信の保障内容見直しも住宅ローン借入れのメリットとなります。ご自身が加入されている生命保険などとあわせて確認・検討してみることをおすすめします。
注意点(デメリット)
次に、注意点(デメリット)について解説します。
①手数料等の諸費用が必要
はじめて住宅ローンを借入れたときに、さまざまな名目で費用が発生した記憶はありませんか?借換えにおいても数十万円の諸費用が発生することが一般的です。たとえば、以下のような項目が挙げられます。
※項目のすべてが必ず発生するわけではなく、また、挙げられていない項目が発生する場合もあります。詳しくは利用を希望する金融機関に確認してください。
事務手数料
ローン保証料
印紙代
司法書士報酬
登録免許税
②書類の提出
借換えにおいても様々な書類の提出が必要となります。しかし今日では、パソコンやスマートフォンからファイルアップロードで提出できる金融機関もあります。ウェブサイト等で確認してみましょう。
③審査に通る必要がある
住宅ローンの借換えを行うときは、借換え先の金融機関で新たに審査を受ける必要があります。審査を受ける際、新規で住宅ローンを借入れたときと同じ状況(状態)であることは珍しいでしょう。住宅ローン以外のローンの借入れ、転職、年収が下がっている、健康状態等が変わっていることが考えられます。
借換えすることでメリットを受けやすい条件
借換えによるメリットは、すべての人にあてはまるわけではありません。
<借換えすることでメリットを受けやすい条件>
A.借換え前と借換え後の金利差が1.0%以上
B.住宅ローン残高が1,000万円以上
C.返済期間が10年以上残っている
これら3つの条件を満たしている場合に、メリットを受けやすくなります。
また、金利や返済額の軽減以外にも、最近の住宅ローンでは、団信の保障内容が新規で住宅ローンを借入れたときの内容より充実しているケースがあり、無料でがんの保障が付帯されるケースもあります。
借換え前後のケーススタディー
最後に、具体的な数字を用いて借換えの効果を確認しましょう。
住宅ローン残高:2,000万円
残りの返済期間:25年
当初金利:長期固定1.5%
借換え後金利:長期固定0.5%
ボーナス返済なし
金利が1%下がると次のような効果があります。
【返済総額】(概算)
当初:23,162,045円
借換え後:21,625,706円
1,536,339円の軽減
【月々の返済額】(概算)
当初:96,509円
借換え後:87,586円
月々8,923円、年間107,076円の軽減
借換えにあたっては手数料等の諸費用を支払う必要がありますが、この諸費用が仮に100万円だったとしても十分に借換えの効果は残ります。自身で具体的な数字を用いて計算するのは困難ですが、後述するシミュレーションを利用すれば、誰でも簡単に確認できますのでご安心ください。
まずシミュレーションからはじめよう
住宅ローンの借換えについて解説してきました。特に、金利が下がることで返済総額が減るということについては、わかりやすいメリットでしょう。ただし、金融機関によって金利や諸費用は異なります。まずは、金融機関のウェブサイトでシミュレーションし、借換えによる効果を数字で確認することです。金融機関によっては無料でシミュレーションを提供していますので、上手に活用しましょう。
<auじぶん銀行の住宅ローンシミュレーション>
https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/simulator/
執筆者:上田 健介(行政書士・ファイナンシャルプランナー)
(提供=auじぶん銀行)
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