経営者に「大成功する脳の使い方」を指南する能力開発の第一人者、サンリ代表取締役会長・西田文郎 氏。経営者だけを対象とした「経営脳力全開塾」では、爆発的に業績を伸ばす門下生が続出し、全国から問い合わせが殺到。2008年の北京五輪では、日本女子ソフトボールチームのメンタル指導を担当、チームは驚異的な組織力を発揮し、見事金メダルを獲得、あらゆる分野で圧倒的な実績を上げ、トップアスリートや経営者たちから強い支持を得ている。
本記事は、一代で大事業を築いた名経営者に共通する【強運をつかむ8つの資質】を体系化し、これまで一部の限られた経営者だけに伝授してきた〈西田式経営脳力全開プログラム〉を初めて一般公開した著書『強運の法則』(税込16,500円、日本経営合理化協会出版局)のまとめ、P381-387から一部を抜粋・編集して掲載しています。
トレーニング① 目標の設定とイメージング
【トレーニングの目的】
人間の脳は「できる」と思ったことを必ず実現し、その逆に「できない」と思ったことも同様に、そのとおりの「できない」未来を実現する。つまりは、人間の能力とは「できる」と思うことによって発揮されるものであり、かつ成功の大きさとは、いかに大きくいかに高い目標を「できる」と本気で信じきれるかの差なのだ。そこで、目標達成に向けて潜在能力を100%発揮するために、大成功を目指す経営者にふさわしい「強さ」と「質」をもった野望を設定し、これを脳が、本気で「できる」と感じられるようイメージングする。
①実行プログラム社会的成功の具体的長期目標を設定する
大きく成功するために、経営者は必ず最終的な到達目標を「No1」にする。また、脳が「もうできちゃった」と錯覚するほど明確なイメージングを行なうために、目標設定は達成年月日、達成場所、達成時間など、徹底的に具体化する。成功目標は巻末の能力シート1に記入する(詳しい説明は本文114頁参照)。
②実行プログラム人間的成功の具体的長期目標を設定する
地位や名誉やお金の獲得といった、競争原理に基づいて勝ち取る社会的成功目標の他に、必ず「家族や従業員など、愛する人たちをどのように幸せにするか」という愛情や人間性、心の成長など、親愛という原則に基づいて得られる人間的成功の目標も設定する。こちらの成功目標も、達成年月日、達成場所、達成時間を具体的に設定し、シート2に記入する(詳しい説明は本文120頁参照)。
③実行プログラム目標は達成状態の心理面も具体化する
目標達成状態の心理面を具体化すると、ご自身の目標に「何のために頑張るか」「誰のために目標を達成したいのか」という「目的」が、自然と明確化され、目標達成のイメージングで得られる「達成感」の喜び以外にも、あなたの扁桃核を「快」にする、強力なエネルギーが湧いてくる。社会的成功の目的は巻末の能力シート1の3番目の項目に、人間的成功の目的は能力シート2の3番目の項目に書き込む(詳しい説明は本文134頁参照)。
④実行プログラム社会的成功、人間的成功への短期・中期目標を設定する
脳が喜ぶ動機付け要因のひとつ、「昇進や自己の成長」を感じ続け、モチベーションを維持するために、最終的な長期目標の他に「短期」「中期」の目標も合わせて具体化する。実行のポイントは、長期目標は変えてはいけないが、短期・中期目標は途中で何度も変更してよい。社会的成功の短期・中期目標は巻末の能力シート3に、人間的成功のそれは能力シート4に記入する。
さらに、目標達成のために必要な知識や技術、会社の財務面、あるいは人を引き付ける人間的魅力など、身に付けなければならない必要条件も併せて具体化し、長期目標達成までの道のりを、よりリアルにイメージする助けにする(詳しい説明は本文144頁参照)。
⑤実行プログラム右記すべての目標をイメージング
社会的成功目標、人間的成功目標それぞれの達成状態、およびそのときの自分やまわりの人間の心理を脳に送り込む際は、イメージを送り込みやすい超集中状態の脳にするために、腹式呼吸により、α波を出す(詳しい説明は本文146頁参照)。この目標達成のイメージングは毎日1回、1年間続ける。
トレーニング②脳をプラスに保つ思考法と言葉・動作の使い方
【トレーニングの目的】
言葉や動作は扁桃核の「快・不快」をコントロールするものである。つまり、いつも肯定的な発言や思考をすると、イメージや感情もプラスになり、否定的な発言や思考だと脳はマイナスになるため、能力が発揮されない。したがって、いつでも脳をプラスの状態に保っておくために、プラスの言葉や動作を使う習慣を身につける。
①実行プログラムマイナス言葉からプラス言葉への置き換えによるクリアリング
否定的な発言をすると、脳は簡単にマイナスに転じてしまう。そのため、「ピンチ→チャンス」「勉強→向上」など、マイナスの感情と結びついてる言葉は使わずに、プラスの感情と結びついている言葉に置き換えて口にする習慣をつける。マイナス言葉の置き換えはあらかじめ巻末の能力シート5に記入しておく(詳しい説明は本文162頁参照)。
②実行プログラム言葉のクリアリング「イエスバット法」
脳は、最後に言った言葉を記憶するようにできているため、マイナス言葉を聞いたり口にしてしまった時は、すぐにプラスの言葉に置き換えて言い直す(詳しい説明は本文166頁参照)。
③実行プログラムプラス思考の訓練「有無・無有思考法」
イエスバット法で、バットの後に肯定的思考が浮かばない、かなりマイナス思考の強い方は、イエスバット法と合わせて、有無・無有思考法も訓練する(詳しい説明は本文168頁参照)。
④実行プログラム言葉のクリアリング「サイキングアップの言葉」
「俺は人とは違う」など、気持ちが高ぶる言葉をあらかじめ決めておき、失敗したときや疲れたとき、あるいは朝の出勤前などに唱え、脳を戦闘最適状態に保つ。サイキングアップの言葉はあらかじめ巻末の能力シート6に記入しておく(詳しい説明は本文173頁参照)。
⑤実行プログラム言葉のクリアリング「カームダウンの言葉」
物事がうまく行き過ぎると、脳は油断したり、低い目標の達成でも満足して、欲が枯れてしまう。そこで、図に乗っているなと感じたときは、「まだまだ気を抜くな。俺はこんなものではない」など、自分を戒める言葉をつぶやき、モチベーションの低下を防ぐ。カームダウンの言葉はあらかじめ巻末の能力シート6に記入しておく(詳しい説明は本文175頁参照)。
⑥実行プログラム動作・表情のクリアリング「目標を思い出す動作」
人はすぐに目標を忘れ、初心を継続できない。そこで、あらかじめ目標達成のイメージとひとつの動作を条件付けておき、苦しいことがあって脳がマイナスに転じそうになったら、その動作を行ない、条件反射で目標達成の喜びを思い出す。これで、モチベーションをいつでも維持することができる。目標を思い出す動作はあらかじめシート7に記入し、プログラム1の目標達成のイメージングの際に行なう(詳しい説明は本文180頁参照)。
⑦実行プログラム動作・表情のクリアリング「嫌なことを忘れる動作」
日本人は反省が大好きだ。しかし、反省すればするほど、マイナスのイメージトレーニングをしていることになる。よって、失敗するたびにマイナスの感情を消し去る動作を行ない、反省はしないよう心がける。「嫌なことを忘れる動作」はあらかじめ決めておき、動作は巻末の能力シート7に記入する(詳しい説明は本文182頁参照)。
⑧実行プログラムピグマリオンミーティング「望むとおりに自分を変える言葉」
人間は社会的動物であるがゆえに、かけられた期待に応えようと、脳が働く。よって、「なりたい自分」「理想の自己像」を自身に語りかけ、自分で自分に「こういう人間になるように」と、期待をかける。すると、この言葉が言語中枢のある左脳から、理想像を思い浮かべる右脳へ働きかけ、イメージングの助けになる。
ピグマリオンミーティングの実行ポイントは「、強さと自信の言葉」「愛情と優しさの言葉」「感謝と運とツキの言葉」の3つの言葉を、短く、断定と進行形で語りかけることだ。また、
これは毎日5回以上反復し、1年間は続ける。3つの言葉はあらかじめ巻末の能力シート8に書き込んでおく(詳しい説明は本文187頁参照)。
書籍詳細
強運の法則
日本におけるイメージトレーニング研究・指導のパイオニア。1970年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、大脳生理学と心理学を利用して脳の機能にアプローチする画期的なノウハウ『スーパーブレイントレーニングシステム(S・B・T)』を構築。日本の経営者、ビジネスマンの能力開発指導に多数携わり、驚異的なトップビジネスマンを数多く育成している。
この『S・B・T』は、誰が行っても意欲的になってしまうとともに、指導を受けている組織や個人に大変革が起こって、生産性が飛躍的に向上するため、自身も『能力開発の魔術師』と言われている。
経営者の勉強会として開催している『西田塾』には全国各地の経営者が門下生として参加、毎回キャンセル待ちが出るほど入塾希望者が殺到している。2008年春には、「ブレイントレーニング」をより深く学び実践し、世の中の多くの方々を幸福に導くために、通信教育を基本とした『西田会』をスタートさせた。
また、ビジネス界だけでなく、スポーツの分野でも科学的なメンタルトレーニング指導を行い、多くのトップアスリートを成功に導いている。2008年の北京五輪で金メダルを獲得した女子ソフトボールチームの指導も行った。その実績は、まさに日本のメンタルトレーニング指導の国内第一人者に相応しいものである。
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