誰かが亡くなると、遺された家族は期限内に多くの手続きをしなければならない。中でもお金に関する手続きをうっかり放置すると、取り返しのつかないことになる場合がある。しかし何から手を付けていいかわからない。こんな時、専門家に相談することで早く解決することが可能だ。手軽に相談できる公的な窓口をいくつかご紹介しよう。 (下記は2020年4月時点での情報)

年金に関する相談窓口

死後,手続き
(画像=shutterstock)

亡くなった人が年金受給者である場合、受け取っていた年金の種類によって年金事務所または年金相談センター、市町村役場などに期限内に届け出が必要だ。遺族が引き続き年金を受け取れる場合もある。どこに届け出るのかを含めた年金に関する相談窓口には次のものがある。

・ねんきんダイヤル

「ねんきんダイヤル」は、日本年金機構が運営する電話相談窓口だ。年金に関する一般的な相談を受け付けている。電話番号は0570-05-1165で、050で始まる電話でかける場合は03-6700-1165だ。受付時間は、月曜日のみ午前8時半~午後7時、火~金曜日は午前8時半~午後5時15分、第2土曜日は午前9時半~午後4時となっている。

日によって混雑のため電話がつながらず、長い時間待たされることもある。日本年金機構のホームページ内に混雑予測が載っているので、あらかじめ確認して利用する曜日や時間を調整したい。

・街角の年金相談センター

「街角の年金相談センター」は、全国社会保険労務士会連合会が運営する対面による相談センターだ。無料相談などのサービスを受けられる。駅の近くやショッピングセンター内といった比較的便利な場所にあるうえ、年金事務所に比べ、待ち時間も少ない。年金事務所と同様に、死亡届の提出もできる。受付時間は、月~金曜日の午前8時半から午後5時15分だ。

相続全般に関する問い合わせ窓口

お金に関する手続きで最も手間がかかるのが相続に関する手続きだ。人によっては申告不要だが、必要な場合は、死亡後10ヵ月以内に税務署に相続税の申告と納付をしなければならない。相続に関する一般的な事項に関しては、次の公的機関で相談できる。

・法テラス

「法テラス (日本司法支援センター) 」とは、法的トラブル解決のための窓口として、国によって設立された機関だ。相続や遺言に関する問題がある場合などに、電話や対面、メールで相談することができる。必要に応じて、相談機関・団体等 (弁護士会、司法書士会、地方公共団体の相談窓口等) を紹介してもらえる。

電話による相談は、法テラス・サポートダイヤルの電話番号0570-078374で受け付けている。050で始まる電話でかける場合は03-6745-5600だ。受付時間は、月~金曜日は午前9時~午後9時、土曜日は午前9時~午後5時となっている。対面による相談は、ホームページ (https://www.houterasu.or.jp/) から近くの法テラスを確認し予約するか、法テラス・サポートダイヤルで受付日時などを確認する。メールによる相談はメール受付ページ (https://www.houterasu.or.jp/cgi-bin/formmail/formmail.cgi?d=toiawase) にアクセスする。

・税務署

相続税に関することなら、税務署で相談できる。電話による相談と、税務署に出向いての個別相談がある。電話相談の場合は、所轄の税務署に電話をかけ、音声案内に従って、「1」 (国税に関する一般的なご質問やご相談) 、「3」 (譲渡所得、相続税、贈与税、財産評価) を選択すると、国税局電話相談センターにつながり、職員が相談に応じる。

税務署での個別相談は、事前に電話予約が必要だ。所轄の税務署に電話をかけ、音声案内に従い、「2」 (税務署からのお尋ねや納付に関するご相談) を選択すると、税務署の受付担当につながるので、面接相談の事前予約と伝え、日時を決める。必要な書類などを事前に用意したうえで相談に行こう。なお、税務署の開庁時間は、月~金曜日の午前8時半~午後5時となっている。

公的な相談窓口は利用時間が日中に限られるといった制約もあるが、相談料などの費用が発生しないので気軽に利用できる。

また、上記の公的機関以外でも民間機関に相談する選択肢もある。中には「死後の手続き」専門のファイナンシャルプランナー等もいるため、なにから手をつけて良いのかわからないといった相談から、実際の事務手続きまで、トータルに総合支援を依頼することもできるだろう。相談会やセミナーも実施しているため、気軽に相談できる。

わからない時は1人で悩まず、これらの窓口を利用したい。(提供:大和ネクスト銀行


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