年収2,000万を超える「新富裕層」に向けて不動産を活用した資産形成の提案を行っているプラン・ドゥ。不動産経営おいて物件選び以上に重要とされる「管理」について、プラン・ドゥは、どのように取り組んでいるのだろうか。同社でオーナーコンサルティングチームのシニアマネージャーを務める河合氏が解説する。

河合 紘幸
監修者・河合 紘幸(カワイ ヒロユキ)
株式会社プラン・ドゥ オーナーコンサルティングチーム シニアマネージャー。
2011年新卒でプラン・ドゥに入社以来、中古RC造一棟モノの収益マンションに特化し、オーナー様の資産コンサルティングを始め、賃貸募集や、管理まで幅広く業務を経験。

【取得資格】
宅地建物取引士、上級相続支援コンサルタント、賃貸不動産経営管理士、マンション管理士、競売不動産取扱主任者など

管理会社と仲介会社のビジネスモデルの違い

不動産投資
(画像=nespix/stock.adobe.com)

不動産経営をしていく上では、管理会社と仲介会社の違いを理解しておく必要があります。

プラン・ドゥは賃貸募集の為に路面店舗で営業しているわけではありませんが、リーシング力には自信をもっており、実際に常時97%前後の入居率を保っています。これは、弊社のリーシングチームが「賃貸仲介手数料」ではなく「管理物件の入居率」を目標としていることも一因です。

一方、仲介会社は多くの場合、「賃貸仲介手数料」を目標にしています。例えば、仲介手数料や広告費、その他事務手数料など、入居時の諸費用から収益を得ることを重視しているのです。つまり、弊社は入居者の方に長く住んでいただくことを目指すストックビジネスの側面がある一方で、仲介会社は単発の手数料ビジネスであり、仕組みが異なるのです。

どちらも「空室を埋める」という意味では同じ目標を追いかけることになりますが、仲介会社の場合は、「入居条件を緩和する」といった方向になりがちです。これは、短期で手数料を得るには正しいやり方かもしれませんが、長期的には問題も出てきます。

弊社の場合、自社で物件の売買から賃貸管理までを完結できるので、コストを抑えることができています。つまり、収益不動産の売買を行う不動産会社と管理会社が共存しているため、賃貸の客付け手数料で大きな利益が得られなくても成り立つビジネスモデルになっているのです。むしろ空室が埋まらないことで売買に影響が及ぶことのほうが経営を圧迫してしまいます。だからこそ、我々は物件の管理に非常に力を入れているのです。

不動産管理において重要な「トラックレコード」

一般的に不動産投資を行う際には、「物件選び」が非常に重要だとされています。もちろん物件選びは非常に重要なのですが、一方で意外と忘れられているというか、ないがしろにされているのが、「管理」の問題です。

特に中古物件であれば、売主が売却した理由や過去の運用履歴などがあるはずです。そうした履歴のなかには賃料が上がったなどのプラス要因もありますが、「雨漏りがあった」「事件・事故があった」といったマイナス要因がある可能性もあります。

不動産の場合、それぞれに様々な歴史があるため、過去のトラックレコードを確認して、プラス要因は増幅させてマイナス要因を減らしていくことが必要になります。なぜなら、保有期間中の管理の成果が、将来売却するときの資産価値に大きく影響を及ぼすからです。特に中古物件の場合は、管理が売却時の価格に与える影響は顕著になっています。

仮に「表面利回り8%」だったとしても、その数字だけ見ても意味がありません。実際に8%になるかどうかは、入居率や修繕の必要性の有無などに大きく左右されるからです。こうした履歴は、管理がしっかりしている会社でなければ不透明な状態になってしまいます。一方で、管理が行き届いた会社であれば、過去の修繕や運用の履歴を知ることができ、透明性が確保され、安心感に繋がります。そして、そのことが資産価値の向上にもつながるのです。

「投資」という観点から考えて、割り切って「ワケありでもお買い得な物件」を探す方もいらっしゃいますが、不動産にかかわるリスクはプロにしかわからないものもあります。また、個人の方が持っていた物件であれば、管理会社しか把握していない売却理由があるケースもあります。物件によっては、「管理会社に資料がない」「管理会社が変わっていてわからない」という場合もあります。

我々は自社で物件を管理することで、賃貸経営を行う上で重要なトラックレコードや歴史・経緯を把握し、オーナー様の不動産経営戦略に反映できるようにしています。また、弊社では多くの中古物件の管理を行っているため、様々なトラブルの履歴や経験がノウハウとして蓄積しているため、緊急度・優先度など考慮して対応できるという強みもあるのです。

迅速な対応でオーナーも入居者も安心

VoviiiK/Shutterstock
(画像=VoviiiK/Shutterstock)

実際に、私が担当している物件で、台風の被害に遭われたオーナーさんいらっしゃいました。屋根が壊れてしまうなど建物にも被害があり修繕が必要なことに加えて、近隣の方々の住宅にも被害がでてしまったのです。そのため、オーナー様と一緒になって、近隣の方々へのお詫びも含めて、対応させていただきました。そして、修繕の費用負担に関しては火災保険のご提案をさせていただき、迅速な資金面のサポートを行った結果、安心して頂けたということがあります。

また、リーシングの実績についてもオーナー様からご評価いただいています。当社が管理している物件でも立て続けに3〜4部屋空くということがあります。その際に、退居理由を分析するのですが、外部的要因というよりも入居者様自身のタイミングやご都合の問題であるケースが多いのです。それでも管理している以上、入居率にこだわり満室になるまでお手伝いさせていただいてます。

そうした結果として、現在弊社の平均入居率は97%以上になっています。そこは、今後購入をご検討されるオーナー様にとって、一つの安心材料のエビデンスと挙げることはできるでしょう。退去する際にご記入いただいた入居者のアンケートなどを見ても、「清掃が行き届いている」「トラブル時の対応が早い」といった評価をいただくことが多いです。

オーナーの安心感を高める「One Year保証」

さらに弊社では、「One Year保証」という制度を設けていて、購入後1年間の家賃保証と物件設備の修繕費用を保証しています。

これは数年前に、弊社が販売させていただいた物件で、購入直後に退居が発生したり、設備が壊れてしまうということが起きた経験に基づいて設けられた制度です。販売した時点では、満室で設備も正常でした。しかし、売却直後に立て続けにマイナスな事象が発生するとオーナー様も不安に感じます。弊社としては、お客様にがっかりしてほしくないという思いがありますので、「1年間は責任を持とう」ということで生まれたのが「One Year保証」です。この制度では、販売の契約をした際に1年間の賃料とエアコン、給湯器、ポンプといった設備の修理費を保証しています。

こうした保証に対して、感謝してくださるお客様も多いです。もちろん、契約の時にはお伝えはしているのですが、実際にトラブルが発生してからでないと、効果を実感できない方も多いのでしょう。実際に設備の故障が発生した場合などに「保証があると安心です」というお声を聞くことが多いです。

今後増加する外国人需要にも対応

弊社では、「中古・郊外・RC」一棟モノマンションを提案していますが、「郊外」では外国人留学生、外国人労働者などが将来的にターゲットとして見込めることもポイントです。年々増加する外国人ですが、外国人の受け入れに反対する賃貸マンションオーナーはまだまだ多く、そこにチャンスが生まれると考えています。

現在、東京の中心部ではコンビニや飲食店、ホテルなどで人手不足が深刻化し、アジア人の若者の労働力に依存する流れが加速しています。厚生労働省が発表した「外国人雇用状況の届出状況まとめ」の「在留資格別外国人労働者数の推移」によれば、2018年10月末現在の外国人労働者数は146万人超と、届出が義務化された平成19年以来、過去最高数を更新しています。実際、すでに少子高齢化が加速している日本において、外国人労働者の雇用は毎年増加傾向にあることがよく分かります。

新型コロナウイルスの影響で、2021年に延期となりましたが、東京オリンピックで訪日外国人観光客がまた戻ってくると予想されることから、外国語を自然に話すことができるアジア人の需要はさらに高まるはずです。ただ、そうしたアジア人の若者が都心に住めるかというと、そこまでの収入は確保できないため、必然的に郊外にある賃貸マンションが有力な選択肢になってくるのです。

そうした需要を見越して、弊社の場合、「外国人だからお断り」ということはなく、むしろウェルカムという姿勢をとっています。もちろんオーナー様の意向による部分もあるのですが、弊社としては「ぜひ歓迎していこう」というスタンスなのです。

そのため、弊社では10カ国語に対応した外国人専門の仲介・コールセンターと提携し、入退去手続きから入居中のトラブル対策までカバーしています。外国人のゴミ問題、マナー違反は多くの場合、説明不足によることが多いのですが、こうしたサービスを利用すれば、母国語で誓約書を作成してくれるため、契約時に入居者の合意を得ることができます。

また、ゴミの分別やルールなどの翻訳サービスがあるので「日本語だから読めない、分からない」といった言い逃れを防ぐこともできるのです。このように書面でしっかりと誓約書をいただいておけば、トラブルが発生した際も改善しやすい上に、入居者本人の意識も高まります。

「外国人可」の物件は、競合物件と差別化できる条件となります。一度、仲介会社に認知してもらうことができれば、リピート申し込みが入りやすいという特徴もあります。もちろん、入居審査はしっかりと行う必要がありますが、信頼できる管理会社・仲介会社を選んだうえで日頃からコミュニケーションを取っておけばリスクを抑えることもできるでしょう。

外国人は日本にいる知り合いの仲介会社を頼る場合も多いため、各エリアのキーマンと関係を築くことができればオーナーの代わりに街の魅力、物件の魅力を宣伝してくれる強い味方になります。また、外国人入居者への抵抗が多いエリアでは相場よりも高めの賃料設定ができるケースもあります。

さらに、築古物件や設備が古いままの物件でも賃貸が決まるケースがあることも「外国人可」とすることのメリットです。築年数が経過すると設備が劣化し、一般的にはリフォーム工事が必要です。しかし、外国人の入居者の感覚は、新築好きの日本人の感覚とは異なります。「古くても使えれば問題ない」「新しくなって賃料が上がるよりは古いままでいい」という意見や退去時に負担が少ないほうがいいといった意見が多数派となっています。

もちろんオーナーとしては、費用対効果を検証のうえ、一定の頻度でリフォームを行うことが望ましいですが、「今はリフォーム費用を抑えたい」といった場合の戦略としては有用でしょう。

さらに物件検索での人気条件に「バス・トイレ別」という項目がありますが、外国人は湯船に浸かる習慣がない方も多く、3点ユニットでも気にされないことが多くなっています。お風呂とトイレを分ける工事もありますが、費用が高額で中途半端になってしまうぐらいなら、外国人向けに募集するほうが賃貸経営の観点からも望ましいといえます。

ほかにも、日本人であればどうしても立地に対するイメージ、ブランドは似通ってしまいますが、外国人からすると住みやすい街という観点が異なり、例えば同じ国の人が多くて安心できるとか、勤務する企業が近い、物価が安いといった国ごとの口コミのようなものが優先される場合もあるというメリットもあります。

日本人は周囲の人からのイメージを気にしがちですが、外国人からすれば都心まで1時間以内で行けて家賃が抑えられ住みやすい街に対する需要のほうが大きく、国道16号線沿いの郊外立地は最適な場所だと考えられます。

このように外国人への対応も含めた様々な需要に対応できる管理会社を選ぶことは、不動産経営をしていくうえで非常に重要なことなのです。