本記事は、川村和義氏の著書『ラーメンを気持ちよく食べていたらトップセールスになれた』(WAVE出版)の中から一部を抜粋・編集しています
「嫌われる」理由を「好かれる」に
世間一般的には、どんな業種であっても、営業マンはお客さまからあまり歓迎されません。生命保険業界では、とくにその傾向が顕著に表れます。
「生命保険が大好き」という人には、なかなかめぐり会えませんが「生命保険はもういいよ」という人になら、いくらでも出会える。じつは、そこに大きなビジネスチャンスが隠れています。
保険屋さんが嫌われる理由には4つあります。
(1)縁起でもないと思われる
生命保険の話をするときに「あなたが、もし亡くなったら」とか、「交通事故で車椅子生活になったら」という事例を元気な人に話さなければならない。その意味で、「辛気くさい話はやめてほしい。縁起でもない」となってしまう。
(2)掛け捨てである
お金を払いつづけるだけで損する感じがする。「もし死んだらいっぱい返ってくるけど、死ななかったら損をする」というイメージが強い。
(3)難しくてよく理解できない
保険金や返戻金など、いろいろな数字や計算があったりすると、「何度聞いても、よくわからない」となり、結局「どこの保険会社も一緒」ということになる。
(4)しつこく押し売りしてくる
営業マンはそう簡単に見込み客を見つけられるわけではないので、いったん断られても、しつこく食い下がる。どうしても押し売りのように受け取られてしまう。結局「保険屋は嫌い」となる。
私がいつも講演会で話すのも、まさにこのことです。
「まさか皆さん、縁起でもない話をして、掛け捨てで損するような話をして、難しくてよくわからない話をして、しつこく押し売りのような営業をしていませんよね?」
そうすると伏し目がちになる人がとても多くいます。どうやら、従来の保険屋さんのイメージどおりのことをやっているようです。
ということは、ファンになってもらうには、このイメージを変えればいい。これまでとは反対に「しつこく押し売りしてくる人」を「気持ちいい人」に変え、「何度聞いてもわからない話」を「とてもわかりやすい話」にして、「掛け捨てで損」を「お金がたまって夢までかなう」に変え、「縁起でもない」を「楽しい」に変えていくのです。
そんなふうに一つひとつ悪いイメージをいいイメージに変えていくことで、従来の保険屋さんとはまったく違った存在になれるのです。
でも、逆に世の中の保険屋さんが「わかりやすく」て「夢までかなう話」をしてくれ、「気持ちよく」て「楽しい」人、そんなすてきな営業マンばかりだったらどうでしょう。そんな高いレベルの厳しい業界だったら、なかなかトップセールスとして抜け出すのも大変です。
そう考えると、遅れている業界だとか、イメージが悪い業界だとただ嘆くのではなく、むしろチャンスと捉え、その真逆をいくことで圧倒的に差別化することができます。
ほとんどのお客さまが、
「あれ?これまでの保険屋さんと違って気持ちのいい人だな」
「生命保険の話を聞いてるのに、なんか楽しいな」
と感じてくれる。それでセールスは、ほぼ成功なのです。
このことは、ほかの業界でもきっと同じでしょう。株屋さん、不動産屋さん、クルマ屋さんなど、各業界には古くからある特徴的な悪しき習慣やイメージがあると思います。それを率先して自ら変えていくのです。
そしてチームを変え、会社を変え、業界全体を変えていこうとがんばる。そんな志をもった人なら、業界に関係なくお客さまから応援されること間違いありません。
業界イメージが悪いからこそビジネスチャンスがある。そう捉えれば、必ずファンをつくることができます。
保険営業のノウハウを伝えるオンライントレーニングサイト「イタダキ」の講師も務める。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます