超低金利の長期化により、銀行預金では思うようにお金が増えない今、投資に関心を持つ人が増えています。運用をプロに任せられる投資信託は、投資初心者からベテランまで幅広い層に人気ですが、選択肢(種類)が多いためどれを選べばよいのか迷ってしまうこともあります。

今回は投資信託を選ぶ際の参考となるよう、世界最大級の投資信託評価会社であるモーニングスター社が発表した11 月末のリターンランキングで上位に選ばれた5つの投資信託を、最近の運用成績や特徴とともにご紹介します。

11月の国内・国外株式市場動向

11 月,投信
(画像=freedomz/stock.adobe.com)

11月の国内・国外株式市場は、米大統領選の実施や欧米製薬大手の新型コロナワクチンの実用化が秒読みに入るなど、ポジティブな雰囲気が広がりました。

国内株式市場は、日本企業の業績回復の期待感・安心感が市場に広がり、日経平均株価は前月末比15.04%増で約29年ぶりに2万6,000円を、TOPIX(東証株価指数)は同11.12%増で1,700ポイントを上回りました。

アメリカでは民主党のバイデン氏の勝利が確定したものの、上院では共和党が優勢の「ねじれ議会」になる見通しから、バイデン氏の増税策が議会を通過する可能性が低下。一方、バイデン氏が追加景気回復策を打ち出すとの予想に市場が反応し、NYダウが史上初の3万ドル超えとなりました。

欧州でも10月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者指数)が前月から1.1ポイント増の54.8ポイントと景況感が改善したほか、コロナによる行動規制で大きな打撃を受けた旅行産業などの株価が大幅に上昇し、DAX指数(ドイツ株価指数)は前月末比15.01%増で1万3,000ポイントを突破しました。

11 月のパフォーマンスが良かった投資信託5選

純資産10億円以上の全投資信託(確定拠出年金、ラップ口座は対象外)を対象とするモーニングスターのランキングで、以下の投資信託が、11月の運用成績トップ5入りを果たしました。

11月のランキング上位4位まではすべて「ブル型」のファンドで、5位は「ベア型」のファンドでした。ブル型は市場がすると高いリターンを期待できますが、ベア型はベンチマークと逆に動くという特徴があり、いずれもハイリスク・ハイリターンな金融商品です。

1位 楽天 日本株4.3倍ブル

楽天投信投資顧問が運用する追加型投信です。国内の株価指数先物取引および短期公社債を主な投資対象とし、基準価額の値動きが国内の株式市場全体の4.3倍程度となる運用成果を目指しています。

モーニングスターランキング:1位 過去1ヵ月のリターン:82.23%

2位  SBI 日本株4.3ブル

SBIアセットマネジメントが運用する追加型投信です。国内の公社債や株価指数先物取引を積極的に活用。基準価額の値動きが国内の株式市場全体の値動きの4.3倍程度となる運用成果を目指しています。

モーニングスターランキング:2位 過去1ヵ月のリターン:81.99%

3位 楽天 日本株トリプル・ブル

楽天投信投資顧問が運用する追加型投信です。主に国内の株価指数先物取引や短期公社債に投資し、基準価額の値動きが国内の株式市場全体の値動きの3倍程度となることを目指しています。国内株式を組み入れることもあります。

モーニングスターランキング:3位 過去1ヵ月のリターン:52.98%

4位 ブル3倍日本株ポートフォリオV

大和アセットマネジメントが運用する追加型投信です。国内の株価指数先物取引や残存期間の短い国内債券が投資対象です。見込み純資産総額(=当日の純資産総額+当日の設定申込額-当日の解約申込額)に対して、先物比率が3倍程度となることを目指しています。

モーニングスターランキング:4位 過去1ヵ月のリターン:52.88%

5位 野村 ハイパーブル・ベア8(日本ハイパーブル8)

野村アセットマネジメントが運用する追加型投信です。円建ての短期公社債などの短期有価証券を主な投資対象、国内の株価指数を対象とした先物取引(株価指数先物取引)を主な取引対象としています。基準価額の値動きが国内の株式市場全体の値動きの2.5倍程度逆となることを目指しています。

同シリーズでは、流動性の確保を図ることを目的に安定運用を行う「マネー・ポートフォリオ8」もあります。

モーニングスターランキング:5位 過去1ヵ月のリターン:42.84%

今後の注目ポイント

今後は、英国やカナダで接種が開始されたファイザーと独ビオンテックの共同ワクチンを筆頭に、コロナワクチン関連企業への注目が集まっています。しかし製薬企業は、市場が開発状況や有効性などに敏感に反応するため、価格変動が激しいという特徴があります。

投資のプロに運用を任せられることが投資信託のメリットです。個別企業に注目するだけではなく、運用方針や投資対象など、基本的な情報をしっかりチェックしながら投資信託での運用を考えてみるのも良いかもしれません。

(2020年12月15日作成記事)

※上記は参考情報であり、特定ファンドの売買を推奨するものではありません。(提供:Wealth Road