本記事は、砂川盛作氏の著書『オーストラリアに学ぶ「ゴールドコースト流 ・不動産投資」 で長く儲ける、一生儲ける』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています
2000万円あれば、1億円の家が建てられる
物件価格の相場については次章以降でも触れていますが、ここでは、一つの目安である「2000万円」について解説していきましょう。ゴールドコーストでは、2000万円あれば、日本における1億円レベルの物件を建てることが可能なのです。
ゴールドコーストのハウスメーカーで紹介されている物件を見てみると、1階建ての戸建て物件で3ベッドルーム(主寝室には専用のトイレとシャワー付き)、リビング、キッチン、ダイニング、テラス、そして駐車場付きを約15万豪ドル(1ドル75円で換算すると約1125万円)で建てることができます。ここに、土地の価格が加わります。
平米数でいうと150平方メートルほどとなり、日本ではかなり大きい部類に入るかと思います。このような物件が、上モノだけで15万豪ドルで建てることができるのです。相場観の違いがイメージできるでしょうか。
これだけの物件が1000万円台レベルから建てられることを考えれば、2000万円ほど支出することによって、日本でいうところのまさに1億円レベルの物件が建てられるというのも理解していただけるかと思います。
その事例として、車が2台停められるダブルガレージ付きのタイプで、リビング、キッチン、ダイニング、テラスがあることに加え、シアタールームや複数の子ども部屋が付いた2階建ての物件が24万豪ドル(約1800万円)ほどで建てられるのです。しかも、オーストラリアでは不動産価値が下がるのではなく、むしろ高まっていくため「安く買い、資産価値を高めて売却する」ことも可能となるのです。
不動産の価値が高まる理由として、まず住宅不足があります。例えばゴールドコーストは人口増が毎年2%ほど(人数にすると1万2000人ほど)増えています。その増加に対して必要な住宅供給数は約5000戸と推測できますが、実際の住宅開発許可数は過去5年の推移でみると3000〜3500戸程度となり、住宅が慢性的に不足していることが読み取れます。実際のところ賃貸住宅の内覧時には常時5組ほどが訪れ、早い者勝ちで入居が決まっていきます。
それから、もう一つ大切なことは、国策としてインフレ目標を持っているということです。豪州政府はその目標を2〜3%としていますが、日本と異なり、過去30年にわたりほぼ確実に達成していることから、物価、つまり不動産の価格も含めた物価が上昇しているのです。1980年代は急激なインフレがありましたが、ここ30年ほどは健全な物価上昇が実現できています。
一方、日本では、課せられる固定資産税が目減りしていくことからも明らかなように、建物の資産価値もまた低下していきます。よほど好立地の物件でない限り、資産価値を高めて売却するということは難しいのが実情です。
そう考えると、特に〝投資〟という観点から、オーストラリア、中でもゴールドコーストの利点がイメージしやすいのではないでしょうか。オーストラリア人にとって、建物の価値が低下していき、最終的には評価ゼロという概念は、おそらく理解できないはずです。
現地を見ていただければより分かりやすいのですが、オーストラリアでは土地を買って建物を建てるという買い方が一般的です。日本のように、空いている土地に建物を建てて販売する「建売住宅」は、主流ではありません。
オーストラリアはもともと土地がきちんと整地されており、変形地が少なく、一定規模の面積に任意の建物を建てるというかたちです。その点、建てたい建物のイメージもしやすいですし、土地の面積にぴったり当てはまるような家を建築することができるのです。
不動産業者が持ってくるパンフレットを見ながら、その土地にどんな建物を建てようかと考えること自体、不動産購入の楽しみの一つとなります。そうした過程を経て、望みどおりの不動産を購入するのが、オーストラリアでは一般的なのです。
投資対象として考えると、一戸建てよりコンドミニアムの方が人気はあるものの、4000万円規模から土地付きの戸建てを購入できると考えれば、検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。もちろん、建てた家を賃貸に出すことも可能です。
参考までに、コンドミニアムで代表的なものを2つほど紹介しておきましょう。「物件概要」「不動産購入及び経費」「予想賃貸収支」などの情報をもとに、具体的なイメージを固めてみてください。
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