本記事は、御手洗昭治氏、小笠原はるの氏の著書『どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています

力の抜けた「死んだ魚」みたいな握手はNG

握手,商談
(画像=PIXTA)

握手は、国際社会で最もポピュラーな挨拶です。お辞儀文化の日本人はぎこちない握手をしてしまいがちですが、しっかり握るよう心がけましょう。

とくにアメリカでは、力の抜けた握手は「デッドフィッシュ・ハンドシェイク」(死んだ魚の握手)と呼ばれ、だらしないと思われてしまいます。

Tips
目上の人に対し自分から手を差し出すと失礼になるので気をつけましょう。

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(画像=『どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑』より)

イスラム圏・ヒンドゥー圏では左手に注意

イスラム教徒やヒンドゥー教徒は左手を「不浄」と考えているので、左手で握手をしてはいけません。

同じ理由で、左手で料理を取り分けたり、なにか食べたり、ものを受け渡ししたりすることも避けられています。

Tips
イスラム教徒が多い国としては、インドネシア、パキスタン、サウジアラビア、トルコなど。ヒンドゥー教徒が多い国としては、インド、ネパールなどがあります。

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(画像=どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑)

欧米人は握手もレディー・ファーストで行う

レディー・ファーストが原則の欧米では、男性は女性のほうから手を差し出すのを待って握手するのがマナーです。

ただし、イスラム圏では男女が触れ合ってはいけない決まりがあるので、イスラム教徒の異性とは会釈で済ませるようにしましょう。

そのほか、韓国でも女性は軽く会釈をするだけで、男性とは握手をしないのが一般的となっています。

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(画像=どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑)

タイの挨拶「ワイ」は必ず目下から行う

タイでは、合掌してお辞儀をする「ワイ」という挨拶が一般的です。

ワイは敬意を示す挨拶であり、明らかに年下の相手や店員に対して先にワイをすると不自然に思われてしまうので注意しましょう。

Tips
合掌の位置が上であるほど、お辞儀が深いほど高い敬意を表します。仏教国のタイではお坊さんの地位がとても高いので、お坊さんにワイをするときは合掌した手を頭のほうに上げながらお辞儀をします。

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(画像=どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑)
どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑
御手洗昭治(みたらい・しょうじ)
兵庫県生まれ。札幌大学英語学科・米国ポートランド州立大学卒業。1981年米国オレゴン州立大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。ハーバード大学・文部省研究プロジェクト客員研究員。ハーバード・ロースクールにて交渉学上級講座・ミディエーション講座修了。札幌大学名誉教授。北海道日米協会副会長・専務理事兼任、日本交渉学会元会長。エドウィン・O.ライシャワー博士(ハーバード大学名誉教授・元駐日米国大使)がハル夫人と来道の際、公式通訳として講演等で各地へ随行(1989年9月)。著書に、『サムライ異文化交渉史』(ゆまに書房)2007年、『ケネディの言葉~名言に学ぶ指導者の条件~』(御手洗昭治編著/小笠原はるの著、東洋経済新報社)2014年、『ライシャワーの名言に学ぶ異文化理解』(御手洗昭治編著/小笠原はるの著、ゆまに書房)2016年、『ハーバード流交渉術~世界基準の考え方・伝え方~』(総合法令出版)2017年、『グローバル異文化交流史』(御手洗昭治編著/小笠原はるの著、明石書店)2019年、『ドラッカーとシェイクスピア』(産業能率大学出版部)2019年、『ドラッカーがいま、ビジネスパーソンに伝えたいこと』(総合法令出版)2020年、ほか多数。
小笠原はるの(おがさわら・はるの)
東京都生まれ。米国バージニア大学大学院修士課程卒業。米国ノースウエスタン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。札幌大学教授。専門はコミュニケーション学・臨床教育学・翻訳学。著書に、『多文化交流時代への挑戦』(御手洗昭治編著/小笠原はるの、ファビオ・ランベッリ著、ゆまに書房)2011年、“Crisis inCommunication: A Study of the Creation of Rumors ”, CivicDiscourse for the Third Millennium(共著、Ablex Pub.)2005年、ほか多数。論文に、「カナダにおける教育実践の考察——対話とナラティブに着目して」(『札幌大学文化学部紀要』比較文化論叢)2016年、「対話がつむぐ自伝的回想録」(『北海道の臨床教育学』)2018年、ほか多数。

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