役所から請求通知が送られてくる固定資産税、もしその金額が多すぎるとしたら……。最近、固定資産税の過払いが相次いで発覚しています。なぜそのような事態が発生しているのでしょうか。私たちが過払いを取り戻したいとき、実際にどうすれば良いのかを解説します。

2018年度は70億円も過払いが発生している

金融
(画像= kinako/stock.adobe.com)

固定資産税は土地・建物の所有者に対して課される地方税ですが、最近は過払いの払い戻し請求が頻発、東京23区を含む政令指定都市だけで14万件・還付税額は70億円に達します(2018年度)。

当初はオフィスビルや物流設備などが還付請求の中心でしたが、最近は一般的なマンションにも拡がっています。

総務省が自治体に行った調査によると、過払いの要因トップ3は、家屋滅失の未反映、新増築家屋の未反映、そして建物評価計算の誤りです。未反映に関しては単純ミスですが、評価計算は根本的な問題に起因しています。

建物の評価計算方式は、建物を天井・屋根・壁など部材別に、使用素材・形状などに応じて分類し、部材点数を数えて、さらに補正をかけ……と実に複雑です。

所得税や法人税が納税者の申告により税額が確定する申告納税方式を採用しているのに対し、固定資産税は市町村の固定資産評価に基づき税額が決まる賦課課税方式を採用しているため、過払いが起こりやすいのです。

専門家に調査依頼するという選択肢も

さらに輪をかけているのが、固定資産税を担当する市職員の資質です。税務署の職員がその道のプロなのに対し、市職員の大部分はたまたま税務課に配属されただけの非専門家です。実際に現場では、「あってはならない重大なミスが起きた」というより「よくあるミスが起きた」というのが実感に近いようです。

実際に還付手続きを税理士事務所や法律事務所に委任することでかかる費用は、依頼先にもよりますが、過払い分の調査自体は無料、還付金の2割前後を成功報酬として支払うのが相場です。「固定資産税が重すぎるのではないか」と感じている方は、まずは調査を依頼してはいかがでしょうか。

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