本記事は、和島英樹氏の著書『1万円からはじめる 勝ち組銘柄投資』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています

お金がないからムリ?いえいえ、トヨタだって8000円で投資できます

株式投資
(画像=tokinoun/PIXTA)

株式に投資したことがない人が、口を揃えて言うことがあります。それは「株式投資ってお金持ちがするものでしょ」ということです。

でも、今はだいぶ、手軽になっているのです。

現在では単元株制度への移行に伴って、すべての企業の株式は1単元=100株となりました。ということは、1株=2000円の銘柄でも、20万円から投資できるようになったのです。日本を代表する企業であるトヨタ自動車の株式も、株価が8000円前後ですから、100株であれば80万円ぐらいから投資できる計算になります。

もちろん、「80万円でも高い」という人もいらっしゃるでしょう。とくに株式に投資する場合、1銘柄だけにしか投資していないと、その銘柄の株価が値下がりしたとき、その影響をモロに受けてしまうので、複数の銘柄に分散したいところです。それなのに、トヨタ自動車のような株価水準の銘柄ばかりに分散すると、全体の投資金額が大きくなり、冒頭でも触れたように「株式投資はお金持ちがすること」になってしまいます。

そんな事態を解決する決定打が、「ミニ株投資」です。ミニ株投資とは「単元未満株」の取引のことです。ミニ株投資を利用すれば、100株未満で株式投資ができるのです。

それがどんなに画期的か、説明しましょう。

先ほど、トヨタ自動車の株式(株価が8000円前後)を、単元=100株購入すると、およそ万円で投資できると述べました。

ところが、「ミニ株」なら、100株単位の分ので株単位から投資できますし、最近のインターネット証券会社のなかには、株投資を可能にしているところもあります。株投資でトヨタ自動車に投資したら、投資金額は8000円ほどで済むのです。

単位株ではないので、株主総会に出る権利や株主優待はありませんが、配当は保有株に応じて得ることが出来ます。

どうですか。これなら株式投資のハードルがグッと下がるのではないでしょうか。

なお、トヨタは2021年月末に株を株に株式分割すると発表しています。購入価格は分のになります。

●「ミニ株」投資ならリスク分散がしやすい

ミニ株投資のメリットは、株価が高い銘柄でも、手軽な金額で投資できることです。たとえば「ユニクロ」ブランドの展開で知られているファーストリテイリング(9983)の株価は、10万円を超える場面もありましたから、これを100株買うと何と1000万円以上の資金が必要になります。これでは、誰でも気軽に投資できるものではありません。しかし、これをミニ株投資で10株単位なら100万円、1株単位なら10万円でできます。10万円ならちょっと現実味が出てきませんか。

もちろん、100株単位のままでも手軽に購入できる株もあります。東証2部に上場している某金融系の企業の株価は4月30日現在でわずかに7円。100株投資するのなら、何と700円で買えるのです。なんだか、ハードルが低そうです。

しかし、「株価は企業の成績表」という言い方があります。たくさん稼いでいるなど成績が良い企業の株価は総じて高く、経営不振企業の株価は当然ながら安くなります。ファーストリテイリングの成績は株価から見れば抜群に良いわけです。一方、円の企業の成績は当然ながらボロボロです。成績の悪い企業にわざわざ投資する理由は見当たりません。

ちなみに、2021年4月30日時点で株価が50円以下の企業は17社あります。この中には、実はそれなりに知名度がある企業も含まれます。株価が安いだけの企業への投資は要注意、と認識したほうが良いでしょう。

中長期的な株式投資というのは、企業の成長とともに、株主も潤うことが大前提です。投資の判断として、株価の絶対水準が安いかどうか、というのはあまり意味がありません。売上高や利益など最低限の成績のチェックをすることは、当然ながら必要になります。

1万円からはじめる 勝ち組銘柄投資
和島英樹(わじま・ひでき)
経済ジャーナリスト。1985年、日本勧業角丸証券(現みずほ証券)に入社。1988年、株式新聞社(現モーニングスター)に入社。企業へのトップインタビューやマーケット取材などを担当。2000年にラジオNIKKEIに入社。東証記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。35年間でのべ2000社を取材。2020年6月に独立。現在のレギュラー番組は「マーケットプレス」(ラジオNIKKEI)、「攻めのIR」(日経CNBC)、「ストックボイス」(MXテレビ)、「和島英樹のウィークエンド株!」(有料コンテンツ)。会社四季報オンライン(東洋経済新報社)、週刊エコノミスト(毎日新聞出版)、日経マネー(日経BP)、株探などへの寄稿多数。国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)、日本テクニカルアナリスト協会評議委員としても活躍している。

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