本記事は、永野彰一氏の著書『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

山投資の3つのパターンを現在も進行中

山,投資
(画像=kikisorasido/PIXTA)

僕がやってきた山投資を時系列で見ると、下のチャートのような流れになります。ご覧いただければわかる通り、僕の山投資はスタート時点からずっとプラスで推移していますし、それがドンドンと進化しています。この次にはどんなステージが待っているのか、自分でも楽しみです。

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(画像=『一生お金に困らない山投資の始め方』より)

振り返ってみると、山投資を進めるための最短の道のりを歩んできたように思います。

お金をもらって山を引き取るようになったのは2020年ですから、そこに辿り着くまでが約3年です。

本当にちょっとしたきっかけで、たまたま見つけてきたという感じですから、ひとつでも出会いがなかったら、絶対にここまでは辿り着いていません。すべての段階で奇跡が起こったような気がします。

ツイッターなどを見ると、お金をもらって山を譲り受けているという人は、僕以外にも数人ぐらいいるようですけど、詳しいことはわかりません。僕は全国の不動産会社に電話をしていますが、ほとんどの人に「面白いことを言いますね。こんな人は初めてだ」と言われます。

「他にこういう人はいますか?」と聞いてみても、「いる」と答えた人は今までにひとりもいません。日本中の不動産会社の担当者が「いない」というのだから、もしかすると、本腰を入れてやっている人は他にはいないのかもしれません。

お手本も見本もなく、競争相手も明確ではない状況の中で、僕は自分の経験と発想だけを頼りに、オリジナルの山投資をやってきたのです。

前出の図のような4段階のプロセスは、単なる過去の歩みではなく、①以外は現在も継続中です。

現時点の山投資の比率で考えてみると、①の「戸建てとセットで買う」というケースはほぼなくなっていますが、②の「1円で山を買う」は現在も継続中で、これが7割くらいを占めます

③の「電柱敷地料をもらう」が2割前後で、④の「お金をもらって山を引き取る」が1割といったところです。

この比率は理想的というか、僕が「こうありたい」と考えている割合になっていますし、なるべくこの比率を維持したいという思いもあります。

自分の利益だけを徹底的に追求するならば、④の「お金をもらって山を引き取る」が大半を占めてもおかしくありませんが、自分のためだけでなく、「人のため」とか「人助け」という視点で考えると、現在のような割合が最もそれに近いということです。

近い将来「山を買えない時代」が来る

2020年に世界的な規模で巻き起こった「ウッドショック」は、今後の山投資に与える影響が極めて大きいと考えています。

ウッドショックとは、建築用木材などの不足によって、木材関連の価格が高騰した社会問題のことで、1970年代に発生した「オイルショック」になぞらえて、こう呼ばれています。

日本でも連日のようにニュースで報じられていたので、ご存知の方も多いでしょうが、「木材の輸入量が不足する」に始まって「予定通りに木材が仕入れられずに住宅建築が延期になった」、「どこそこの林業地が増産に入った」、「国有林を扱う森林管理局が木材生産の入札を前倒しで実施した」など、様々な情報が飛び交ったことは記憶に新しいところです。

この現象は2020年に限った話ではなく、日本でも近い将来に木材の価格が現在の10倍とか100倍に跳ね上がる可能性があります。

木材の価格が高騰すれば、山の価格に影響が出ることは避けられません。そうなると、山の価格が異常に上がるだけでなく、結果として山の売買そのものが停止になるという事態も予想されるのです。

国土利用計画法では、地価が急激に上昇するとか、その可能性がある場合、都道府県知事や政令指定都市の長はその地域を「注視区域」とか「監視区域」に指定することで、適正な土地利用を確保することができる……と決められています。

つまり、山の価格が高騰すれば、注視区域や監視区域に指定されることによって、売買そのものが難しくなってしまうということです。

僕は山が買えなくなる時代は「必ず来る」と予想しています。価格が高くなり過ぎて買えなくなるか、国が売買そのものを止める方向に動くか、そのどちらかは確実に起こると考えています。

実際、2019年に沖縄・宮古島で起こった「宮古島バブル」の際には、一部の地価が500倍に跳ね上がって大騒ぎになりました。この現象は山が開発されて地価が高騰しただけで、元々の価格が安すぎたために500倍という数字になっただけですが、こうしたことが起こる可能性は常にあるということです。

これからは、雑木林のような単に木が生えているだけの山でも高価値になる可能性があります。維持費が掛からないならば、場所の特定ができていないような山であっても、将来的には得となる可能性があるのです。

もし1円で買えるならば、どんな山であっても、すぐに買って持っていた方がメリットがあると思っています。僕は現在、オンラインサロンのメンバーにも、そうしたメッセージを強く発信しています。

一生お金に困らない山投資の始め方
永野彰一(ながの・しょういち)
投資家・事業家。1990年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。14歳の時に取得した「乙種第4類危険物取扱者」を手始めに、100を超える資格を高校在学中の2年間に取得。最年少取得記録を多数保有している。プロの雀士でもある。現在は不動産投資家として活動し、全国に数百の山を所有。「山王」と呼ばれている。テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』などメディアにも多数出演。

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