第10次マレーシア計画は成功しているのか

それでは、先ほど紹介しました新経済モデルや第10次マレーシア計画は果たして成功しているのでしょうか。現在のマレーシアでは、新しい第二次産業(電子情報業)、および第三次産業の伸びが著しく、経済成長の点では成功していると言われます。都市部の繁栄度合いは極めて高く、ペトロナスツインタワーを初めとする高層ビルは一日中賑わっている様です。

一方で、マレーシアでは人種間格差が激しく、インド系マレーシア人は中国系マレーシア人の約85%、古くからのマレーシア人は中国系マレーシア人の約70%の所得水準に留まっています。古くからのマレーシア人の所得水準が低い理由として、第一次産業に従事している人の割合が高い、公務員の割合が高い等が主な理由とされますが、農業労働者や公務員の給与水準が経済成長に追いついていない点が分かります。また、一般道路が充実している割に高速道路が不足しており、都市間移動の所要時間の長さがネックになっています。今後、さらなる成長を目指すうえでは、経済格差の是正や、さらなるインフラの充実が求められます。


マレーシアの経済成長は続くのか

マレーシアが今後順調に成長していくならば、資産価格が上がっていくと見込まれ、リターンの大きい魅力的な不動産投資ができそうです。しかし、単年度の経済成長見通しが引き上げられたといっても、年間5%以上が10年も続くとなると結構難しく、リーマンショック等の外部要因があれば一気に吹き飛んでしまいます。また、国営企業中心の経済構造からの脱出、経済格差の是正など、取り組むべき課題は数多くあります。マレーシアの経済政策の動向に目を凝らしながら、慎重に投資を進めていきましょう。

(ZUU online)

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