本記事は、武田拓也氏の著書『金融機関で学んだFPが正しく伝える 投資でお金が増える基本の仕組み』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

銘柄の選び方1 「好きな会社」「有名な企業」の株を買う

銘柄の選び方
(画像=takashi tamiya/stock.adobe.com)

株式投資も、外貨預金や投資信託と同様、分散投資が基本です。

たとえば、為替の影響によって値動きが違う輸出企業と輸入企業、両方の銘柄を買うのも良いでしょう。また、景気に敏感なITの会社と、景気の影響を受けにくい水道、ガス、電気などのインフラ系の株を持つといったことも効果的です。

ただ、株はほかの投資と異なり、1銘柄につき安いものでも10万円前後のお金が必要となります。複数の銘柄を同時にたくさん購入するのは難しいでしょう。最初は、なるべくリスクの低いものを選びましょう

リスクの低い銘柄を選ぶ基準として、ひとつは「自分の好きな会社」「有名な企業」という視点があります。「そんなに適当でいいのか」と思われるかもしれませんが、これらの株を買うことには、いくつかメリットがあります。

まず、その会社や商品に普段から慣れ親しんでいるため、ほかの会社よりも情報を入手しやすくなります。新商品が発売されるなど、株価が上がりそうなタイミングに素早く反応でき、株を売ったり、新たに買い足したりといった判断ができるでしょう。

加えて、そのような会社には自分以外にもファンがたくさんいます。多くの人に応援されている会社は当然、事業も安定しています。余程のことがない限り、倒産して価値がゼロになることはないでしょう。

有名企業の場合は株価が高いイメージもありますが、100株10万〜20万円ほどで購入できる会社もあります。

また、自分が興味のある業界の株を買うのも良いでしょう。どの会社の調子が良くて、どの会社が悪いのかを、普段から把握できているからです。株価が上下したときも、その理由が理解しやすくなります。

ただ、これだけでは判断に迷う部分もあるかと思います。この後に銘柄を選ぶ際のより詳しいポイントを説明しますので、参考にしてください。

銘柄の選び方2 手堅くお金を増やす銘柄のポイント

(1)成長性

「この企業は今後も成長を続けるか」をチェックします。会社が大きくなったほうが、当然、株価も上がります。そのためには、投資したい会社が「この先の時代のニーズに合っているか」を考えてみましょう。

現在、注目されているテーマのひとつはSDGs関連企業です。また、通信関連では5Gの次は6Gだといわれています。メタバース関連なども、これから楽しみなテーマです。

もちろん、成長していく企業はこの限りではありません。自身の好きな会社・商品が「時代錯誤ではないか」「この先も求められる商品・サービスなのか」、ひとりの消費者として向き合ってみましょう。

(2)独自性

有名な企業という基準も大切ですが、「ニッチな会社」にも需要があります。これが銘柄を選ぶ2つ目のポイント、「独自性」です。

「シマノ」という会社をご存じでしょうか。大阪府堺市にある自転車部品・釣り用品の会社で、一般的にはあまり知られていないのですが、自転車の変速機とブレーキ部品のシェアは世界1位の会社です。コロナ禍でサイクリング需要が増えたこともあり、株価が2年で2倍に上昇しています。

当然、業績が伸びるのは良い商品を提供しているからです。株価が上がる以前からこの会社を知っていた人は、大きなリターンを得ていることでしょう。

(3)タイミング

同じ銘柄であっても、買うタイミングによって結果は大きく変わります

2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決まった直後は、スポーツ関連の銘柄の株価が上がりました。また、土地の再開発が併せて行われるため、土木関連の株もよく伸びました。

それ以外にも、「ファンダメンタル分析」や「テクニカル分析」という分析法を用いて、買う銘柄やタイミングを判断する方法もあります。1つの分析手法のみで判断するのは避けたほうが良いですが、迷ったときの一助にしてみてください。

(4)自己資本比率

財務の健全性も重要です。自己資本比率が高いということは、借金が少ない状態です。景気が多少悪化しても、安心して株を保有し続けられます。ひとつの指標としては、自己資本比率40%以上と考えてください。

(5)創業社長

自ら会社をつくって上場させた創業社長には、パワーがあります。これから先も成長が期待できるでしょう。それに、社長自身も自社の大株主になっているケースが多数です。株価が上がれば社長も利益を得られるので、**積極的に事業を育てていこうとする傾向があります。

(6)営業利益

株式会社の目的のひとつは、利益を上げることです。営業利益が年々増加傾向にある会社は、順調に経営がされていると判断できます。しっかり利益を確保できていると株価も上がりやすくなるので、四季報などでチェックしましょう。

(7)投資信託

投資信託で扱われている銘柄を選ぶ方法もあります。「投資信託が購入している=プロが選んでいる」ということになるので、迷った際は参考にしてみましょう。

(8)新規上場株

新規上場株式(新規公開株式)とは、未上場企業が証券取引所に新たに上場し、初めて発行する株のことをいいます。本来の価格よりも割安で売り出され、過去の事例では40〜50%ほど値上がりしています。購入後に株価が上がることが高い確率で見込まれるため、人気の銘柄です。

ただし、購入できるかどうかは抽選で決められます。複数の証券口座から申し込みを行うことで、当選の確率を上げることができます。

また、公開直後に売る人が多いので、持ち続けていると、次第に株価が下がってしまうことがあります。もし入手できたら、なるべく早く売却して利益を確保しましょう。

Check
新規上場株は証券会社で取引されますが、個人や資格のない会社から未上場株を勧められることがあると聞きます。詐欺の可能性が高いので、勧誘されても断るようにしましょう。

(9)慣れてきたら外国株

初心者の方は、基本的に情報の得やすい日本の株を買いましょう。株の基本を押さえたら、外国株に挑戦してみるのも良いでしょう。

たとえば米国株は1株から買うことができるので、日本株と比較すると少額で投資を始められます。中には、数千円単位で取得可能なものもあります。また、GAFAM(ガーファム=Google、Amazon、Facebook〈現メタ〉、Apple、Microsoftの頭文字を取った呼び名)といった、IT系の巨大企業の株も人気です。

外国の株は日本株に比べて情報が少ないので、選ぶのはなかなか難しかったのですが、最近では書籍やYouTubeなどで知ることのできる外国株の情報も増えてきました。「お勧め銘柄」なども解説されているので、その中からまずは1株買ってみてもいいかもしれません。

証券会社によっては新興国の株などを取り扱っているところもあるので、興味のある方はチャレンジしてみてください。

金融機関で学んだFPが正しく伝える 投資でお金が増える基本の仕組み
武田拓也(たけだ・たくや)
株式会社FAMORE代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会福祉士。兵庫県淡路島出身。関西福祉大学を卒業後、有料老人ホームの管理者、外資系保険会社の外交員、高校教師を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。22歳から始めた投資の経験を生かしてコンサルティング業務に従事しつつ、独立型社会福祉士として成年後見活動やNPOの地域福祉事業にも尽力。現在は大学や事業団体にてセミナーも実施。セミナー実施回数は年間100回以上。成功談と失敗談を交えた話はわかりやすいと定評があり、リピーターも多い。著書に『なぜあの人は「老後のお金」に困らないのか?』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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