非課税である以外にもいくつかメリットがあります。まず100円以下の、いわゆる一般層が手を出せる少額から始めることができること。そして、つみたてNISAにラインナップされている商品は、金融庁が「長期」「積み立て」「分散投資」に適していると判断した投資信託とETF(上場投資信託)だけということです。

具体的には、「販売手数料が無料」「投資信託の運用が行われる期間が20年以上」「分配金を支払う頻度が毎月ではない」「信託報酬などのコストが低水準」などといった選定基準がありますので、投資初心者にも向いているといえます。その他にも、いつでも換金でき、住宅資金や教育資金、老後資金など用途に合わせて活用できること、そして、このあとに述べるiDeCoと違って、何歳から始めても長期の資産運用ができることなどもメリットとして挙げられます。

つぎにオススメするのはiDeCoです。正式名称を「個人型確定拠出年金」といいます。多くの人の老後生活を支える年金(国民年金、企業年金、厚生年金など)に上乗せする年金を自分自身でつくるのであれば、国も非課税制度をつくって応援しますよという背景で生まれた制度と考えてください。

iDeCoでは掛金を自分自身で運用しながら積み立て、受け取りは原則60歳以降というルールになっていて、自分自身でいくら積み立てるか、どんな金融商品で運用するか、どのように受け取るかなどを決めることができます。掛金は月額5,000円から1,000円単位で選ぶことができ、掛金は年1回変更が可能で、60歳まで積み立てます。2018年1月からは、年単位などで掛金を支払うことが可能となりました。つまり、ボーナス時にまとめて拠出するなど自分のライフプランに合わせた拠出ができるようになったわけです。ただ、職業によって掛金の限度額が決まっているので注意しましょう。

運用する際には、定期預金や積立年金保険、傷害保険などの低利回りである代わりに元本確保型のものか、投資信託が選べます。当然、どれかひとつだけにしか投資できないということではなく、掛金の配分割合を指定することも可能です。たとえば、毎月の掛金が1万円の場合、商品Aを5,000円分買いたいときは、「商品Aを50%買う」と指定します。配分割合は1%単位で指定でき、合計が100%になるように指定します。運用先を見直すことも、資産配分を変更することもできるので、その点は安心してください。