本記事は、横山光昭氏の著書『18歳からの投資信託の教科書』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

貯金箱,お金
(画像=wirojsid/stock.adobe.com)

時は金なり! 若いうちほど、お金の「貯め期」

このような現状を確認したところで、資産運用は必要かどうか、という問題に話を戻します。

人生に必要十分なお金を用意するには、ひたすら節約し続けて、預貯金だけで何とかすることもできなくはありません。実際、努力に努力を重ねてお金を使わないように心がけ、何千万円もお金を貯めた! という人もいます。

でもそれは、「誰にでもマネできるものではない」というのが私の実感です。ダイエットや筋トレと同じで、長い時間ずっと誘惑に耐え、努力を続けるのは至難のわざです。やり遂げられるのは〝節約の才能〟がある人だけでしょう。

私自身も含め、多くの人は節約の凡人のはず。ときにはムダ遣いをしたくなるし、節約なんか忘れてパーッとお金を使いたくなるのではないでしょうか。ずっと節約のことばかり考えていたら、息が詰まってしまいます。

それでも、お金は必要なので何とかして蓄えなければなりません。では、どうするか。そこで、私がおすすめしたいのが「投資信託」を使った資産運用です。

株などのリスクが高い金融商品には、ほとんどの人が警戒心を持つと思います。

ですが、金融商品の中には、ほどほどのリスクでほどほどのリターンが狙えるものもあります。その1つが、投資信託なのです。

投資信託とは何なのか、この金融商品の魅力の1つに、たった100円から買えるという手軽さがあります。もちろん、お金に余裕があれば100円とか1万円とかでも買えますよ。

皆さんに取り組んでいただきたいのは、この投資信託を毎月ちょっとずつ、長い時間をかけて「積立」することです。

たとえば、毎月3,000円ずつ投資信託の積立に回せば、元本だけでも30年で108万円、40年で144万円貯まります。預貯金の積立だと、元本はほとんど増えませんが、投資信託であれば、少なく見積もっても預金の1,000倍以上は高い利回りが期待できます。

投資信託は元本保証ではないので、ときには損失が出ることもあるでしょう。相場に浮き沈みはつきものなので、それでも長く続けていれば、いずれ盛り返して利益が出る可能性が高くなります。

積み立てる期間が長ければ長いほど、資産は大きく増やせます。そのため、できるだけ早いうちから投資信託に興味を持つのが理想です。

可能であれば、学生のうちから少額ずつ始めて、社会人になったら、次第に積み立てる金額を増やしていくとベストです。

よく、人生にはお金を貯めやすい「貯め期」が3回あると言われます。「社会人になって独身で働いている期間」「結婚して、子どもが小学校低学年までの夫婦共働き期間」「子どもが巣立った後から定年退職するまでの期間」です。

子どもが成長していくと、次第に教育費がかかるようになり、生活費も膨張します。家を買ったり、賃貸でも広い家に引っ越したりするケースも多くなるため、共働きであろうとなかろうと、必然的にお金は貯まりにくくなります。そのため、子どもを持たない期間、つまり若いうちが人生においてお金を貯める黄金期なのです。

結婚や子どもを持たない選択をする人も増えていますし、今はまだ興味のない人も多いでしょう。

しかし、お金が必要になるときは突然訪れるかもしれません。人生のプランを確定することはできないので、何があっても大丈夫なように、若いときの貯め期にお金を増やす道筋を立てておきたいものです。

18歳からの投資信託の教科書
(画像=18歳からの投資信託の教科書)

私が若いときは、将来を見据えず給料が入るとパーッと使ってしまっていました。まわりにもお金を貯めることなんて考えていない人がたくさんいました。

ですが、今30代、40代、50代の人たちからお金の相談を受けていて、「もっと前から投資を始めておけばよかった」と言われることはよくあります。

本当にそうだな、と思います。若いうちから積立をしている人とそうでない人とでは、最終的に手にするお金の総額が、大幅に変わってきますからね。

要するに、10代や20代で資産運用の必要性に気づけた人は、大きなタイム・アドバンテージを手にしているのです。後になって取り返せるものではないので、この優位性を活かさない手はありません。

それでも、まだ投資は怖い、という人もいるでしょう。怖くなるのは、投資信託という金融商品について、まだよくわかっていないからです。

=18歳からの投資信託の教科書
横山光昭
家計再生コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー
株式会社マイエフピー代表
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの家計再生件数は2万1,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)