よくあるお悩み事例

「毎月分配型」はやめたほうがいい?

分配金が毎月入ってきて、お小遣い代わりになるという話を聞き、毎月分配型の投資信託を買いました。最初は順調に分配金をもらえていたのですが、途中で分配金が減額に。これって、やめ時でしょうか?

投資信託の中には、運用中に利益を分配金として投資家に還元するタイプと、還元せずに利益を運用資金に回す無分配タイプがあります。

投資信託を保有する理由が「資産を増やしたい」ではなく、「今ある資産をあまり減らしたくない」ということなのであれば、毎月分配型を選んでもいいかもしれません。

ですが、多くの人は資産を増やしたいと考えて投資信託を買うはずです。その場合、毎月分配型の投資信託を選ぶのは得策ではありません。毎月お金がもらえると、その投資信託がきちんと運用していることがわかって安心な気がするかもしれませんが、分配金を頻繁に出していると、その投資信託の資産はなかなか育っていかないからです。

分配金が投資信託の資産から差し引かれると、そのたびに純資産総額が減少し、基準価額も下がります。年1回分配金を出す程度ならまだしも、毎月出していると、毎月純資産と基準価額の減少が繰り返されるので、長期的にはその投資信託の収益力が低下していきます。

投資信託の運用益の中から分配金を支払えていればまだいいのですが、中には元本を取り崩して、無理やり分配金を支払っている投資信託もあります。

そのような投資信託は基準価額が上がらないので、毎月分配金をもらえていても、トータルでは(最終的に売却したときには)損をする可能性が高いのです。

元本を取り崩してでも分配金を支払うのは、分配金を減らすと人気が落ちてしまうからです。それでも分配金をカットするということは、運用がうまく行っていない可能性もあるでしょう。

あるいは、元本を取り崩さずに済むように、分配金を減らして乗り切ろうとしているのかもしれませんが、その場合でもうまく運用益が上げられていない可能性は高くなります。

このような商品性から、長期的にお金を増やすことを目指すつみたてNISAでは、そもそも毎月分配型はセレクトされていません。課税口座でこのタイプの投資信託を買ってしまった場合は、無分配型への切り替えをおすすめします。