本記事は、桐生稔氏の著書『話し方の正解 誰とでもうまくいく人の55のルール』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
最強プレゼンの流れとは?
商談や社内の会議で、プレゼン(プレゼンテーション)する人も多いと思います。
あなたは、何のためにプレゼンをしていますか?
自分の意見を伝えるため?
相手を動かすため?
それもあるかもしれません。
でも一番の目的は、問題を解決するためではないでしょうか。
あなたがお客様にプレゼンするのは、お客様のお悩みを解決したいから。
会議で新商品をプレゼンするのは、世の中で困っている人がいるから。
社内の仕組みを変えるためのプレゼンするのも、それで何か問題を解決したいからではないでしょうか。
きっと、そうだと思います。
問題とは、現状と未来の差分のことを言います。
例えば、現状はテストで40点しか取れないとします。本来は80点を取りたい。
40点足りない。これが問題になります。
問題を解決することを骨子に据えると、プレゼンの流れはおのずと決まります。
次の3つのステップです。
現状 → 未来 → 対策
現状:「こんな問題を抱えていませんか?」
未来:「本来はこうなると素敵ですよね?」
対策:「それを解決するのがこの商品です」
現状:「世の中にはこんなことで困っている方がいます」
未来:「こうなると救われる方が多いです」
対策:「だから今回これをマーケットに打ち出します」
現状:「社内でこんな問題が起こっています」
未来:「社内をこのように変えたいです」
対策:「それを実現するために○○を提案します」
さらに、大事なのはここから。
3つのステップが、あなたの頭の中で描けているだけではダメです。
相手の頭の中に描けているか?
ここがポイントです。
「どうも商品の説明だけに終始してしまう……」
「一生懸命伝えても、聞き手の反応が薄い……」
こういう方は、内容を伝えることだけに終始して、3つのステップが抜けているかもしれません。
何か問題を解決しようと真剣にプレゼンする人は、無理やり購入させよう、強引に相手を動かそうなんてしません。
そんなことをしても秒でバレるからです。
- 「○○でお悩みの方を救いたい」
「社会の○○の問題を解決したい」
「社内の○○をもっと良くしたい」
ここに集中しています。
そういう人のプレゼンには熱を感じます。
真剣さが伝わってきて、思わず聞き入ってしまいます。
だから、自然にペースが握れます。
何かのプレゼンをすることが決まったとき、「何を話そう?」と内容を考える前に、まず、次の「 」を埋めるところからスタートしてください。
- プレゼンテーマ
- 現状:「 」
未来:「 」
対策:「 」
1つ問題を解決すれば、また新たな問題が生まれます。
例えば、ダイエットに成功した人は、今度はいかに維持するか、という問題に向き合います。
維持するだけでなく、筋肉もつけたいとなれば、また別の問題が発生します。
問題が変化するのは、いいことです。
ステップアップしている証だからです。
ステップアップとは問題の変化でもあるのです。
問題を解決するために「現状→未来→対策」。
そしてまた次のステージの「現状→未来→対策……」とプレゼンし続ける。
これがプレゼンの王道だと思います。
- 話し方の正解
- 「現状 → 未来 → 対策」を相手の頭の中に描く
◎1978年、新潟県十日町市生まれ。2002年、大手人材派遣会社に入社。営業成績がドベで新卒3カ月にして左遷される。そこから一念発起し、全国で売上達成率No.1を実現。その後、音楽スクールに転職し、事業部長を務める。2017年、社会人の伝わる話し方を向上すべく、株式会社モチベーション&コミュニケーションを設立。これまでに全国40都道府県で年間2,000回にわたり「伝わる話し方」のセミナーや研修を開催してきた。
◎セミナーや研修では、「1回で伝わる話し方テンプレート」「30秒で伝えるピンポイントトーク」などが大好評を博す。60分に20回以上笑いが起こるほど会場が盛り上がり、最後には衝撃的な感動が走る「心震わすメソッド」が評判を呼び、日本経済新聞、プレジデント、東洋経済オンライン、Yahoo!ニュースで紹介される。テレビ朝日とABEMAが共同製作する人気番組『マッドマックスTV論破王』では、ディベートの審査員も務めている。
◎著書に、『雑談の一流、二流、三流』『説明の一流、二流、三流』(以上、明日香出版社)、『10秒でズバっと伝わる話し方』(扶桑社)、『緊張しない「最初のひと言」大全』(Clover出版)など多数。※画像をクリックするとAmazonに飛びます