本記事は、内藤誼人氏の著書『10秒で人を操る心理術』(PHP研究所)の中から一部を抜粋・編集しています。

好印象
(画像=Atstock Productions/stock.adobe.com)

【心理術】
印象に残る人と残らない人の「ある違い」とは?

相手に何かを伝えて理解してもらいたいのに、軽く聞き流されてしまうことはよくあります。

とくに相手が忙しいときには、「うん、わかった。また後で」などとあしらわれますが、相手は次の瞬間にはこちらのことなど少しも覚えていません。

そんな取りつく島もない相手であっても、何度も何度もお願いすれば、「しつこいヤツだな~」と嫌味を言われながらも、確実に記憶にとどめてもらえるようになります。

つまり、たとえばデートの誘いを1回断られたからといって、諦あきらめるのは早いということです。もし1回で諦めてしまえば、相手はあなたに誘われたことすら忘れてしまうかもしれません。

1回断られても、めげずに2回、3回と誘ってみましょう。そうやってしつこくねばるうちに、相手の記憶には確実にあなたの存在が刻まれていきます。

記憶に残ることになれば、相手の心にもあなたの存在が残り、相手の心までも揺り動かすことができるようになります。

しつこいくらい、くり返すだけ

ここで、その心理学的証拠を提示しましょう。

オハイオ州立大学のリー・マッコロー博士は、架空の男性用アフターシェーブローションの広告を使って、くり返し効果と忘却の関係について実験をおこないました。

すると、広告を1回見せるよりも、やはり5回見せたほうが記憶に残ったのです。

つまり、意識的にも無意識的にも、人間の記憶はくり返しによって強化されるということです。しつこくてもかまわない。何度も何度もくり返して、記憶を強固なものにしていきましょう。

相手の中にそうした記憶が残ればしめたもの。その記憶こそが、あなたの説得の第一歩になるからです。

存在感を出すには〝量〟で勝負

10秒で人を操る心理術
内藤誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。
『世界最先端の研究が教える すごい心理学』(総合法令出版)、『いちいち気にしない心が手に入る本』(三笠書房)など著書多数。

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